仁義なきヤツらがやってきた【U・WA・SAの奴等produce】110625
2011年06月25日 芸術創造館
昨日、拝見した作品と似たような、逃げるな、言葉で心をきちんと伝えろというテーマが入り込んだ話でした。
個人的な事情なんですが、いいタイミングでこういう作品を見せてくるなあと。
神様とかそんな信じてないけど、何かを考えさそうとしてるのかな。それとも、自分がそんな心境だからどんな作品を観てもそういう風にこじつけているのか。
どちらにしても、焦る心が出てきたり、穏やかな心が出てきたり、今の私の心に訴えかけてくる。今、観ておいてよかったなと思わせる作品でした。
感想はこんな感じなのですが、公演時間の大半が淡々と進み過ぎで、後半にウェイトが多すぎるような気がします。前半部が後半にそれほど効いているようにも思えないし。
2、3分あらすじ聞いて、最後の40分ぐらいを観ればいいぐらいな印象を受けています。
実際、失礼ながら前半はところどころでかなり意識が飛んでいます。
2時間半の公演時間はちょっと長い。
もう少しコンパクトにまとまっていれば、より大事なところがしっかり印象に残る作品になったように思います。
普通の女子高生。
自分を変えるみたいな漠然とした焦りからか、魔術書を購入。
適当に魔術をやってみている時に、偶然入り込んできた猫。
女の子は猫と入れ替わってしまう。
この猫、とんでもないことにやくざさん。
猫の縄張り争いの組闘争に巻き込まれる。
最初は、その猫のやくざ世界で色々なことを知り、女の子はちょっと成長。
最後に元に戻って、めでたし、めでたしかなと思ってましたが、そんなありきたりの話ではなく、すぐに元に戻ってしまいます。
話はそこからでした。
戻ってから、女の子はつらい立場になります。
入れ替わっていた間、友達に冷たい態度をとってしまっていたようで、その友達から嫌われます。
猫が女の子になっていたのですから、仕方がないところではありますが、そんな事情が理解されるわけありません。
友達曰く、いつも自由奔放、好きなことを好きにやってずっと振り回されてきた。それでも大事な友達だと思って、ずっとそれに付き合ってきたのに、あんな態度をとるなんて許せない。
そんな友達の心の底に眠る気持など考えもしなかった女の子は、友達が悪いと自己肯定したり、やっぱり自分に問題があったのかと自己否定したり。
そして、さらに両親が不仲になっており、猫に入れ替わっていた間のおかしな状態は、その不仲が原因だと母親が決めつけ、離婚を考え始めます。
離婚は両親の問題。それを私を理由にうまくすり替えられても困る。イラダチを隠せない女の子は母親にも反発。ここでも、自分がかわいそうと思ったり、自分のことだけしか考えていないのかと反省したり。
自分から少し抜け出したことによって、これまで気付かなかったことに気付き始め、自分を見直すことができ始めたようです。
そんなことを元に戻った猫に相談しに行きますが、逃げてるだけだと相手にされません。
一方、猫のやくざ世界。
女の子と入れ替わった猫は、組闘争の要の猫。
そこでは、守らないといけない組のあねさんや弟分の厚い信頼をあらためて感じるとともに、信頼していた者の敵対する組への裏切りを経験しながら、闘争は最終局面へと向かいます。
自分も逃げるわけにはいかない状況。こうまでなったのは、自分もあの女の子のように結局逃げていたのか。
立ち向かっていかないといけない、自分の気持ちをさらけだして伝えて、この苦境を打開しないといけない女の子と猫は、互いにけじめをつけるべく、行動を起こしていく・・・
だいぶはしょっており、一部の登場人物(猫)も割愛しておりますが、だいたいこんな感じの話。
上述したように、伝えたいことが展開されていくのはほとんど後半。
前半はそこに向かうための設定作りのように感じます。この部分が長過ぎると説明っぽくなって、やはり少々飽きが出たなという感想です。
話もうまいこと出来ていますが、見せ方も猫という一風変わった設定は面白かった。
メイクも某有名劇団、顔負けの猫姿になっており、闘争シーンの殺陣もけっこう迫力がある。
エンターテイメント性はかなり豊富であり、その見所は十分堪能させていただきました。
目を引いた役者さんは、なかなか猫やくざの男優陣もかっこいいのですが、やっぱり明るい笑顔が印象的な女の子役の留田歩未さん(PEOPLE PURPLE)かな。
役どころの女子高生ということはないとは思いますが、かなり若い役者さんなのかな。若さあふれる元気で出し惜しみしない笑顔は、この作品の希望や成長というテーマにふさわしかったように感じます。
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