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2011年6月 4日 (土)

メェメと鳴くのは動物だからそうさ【コトバグリ】110603

2011年06月03日 シアトリカル應典院

コトリ会議の山本正典さんが作、baghdad cafeの泉寛介さんが演出という両劇団の合同公演。

実は観る前から不安一杯。
両劇団とも面白く好きな劇団ではあるのだが、独特過ぎる世界観を作品に出してこられるので、作品によっては楽しかったけど、ちんぷんかんぷんなんてこともしばしば。
昔は何でちゃんと俺は作品理解できないのかなあ、感性が劣ってるんだろうなあなんて、ちょっとしょげて帰ったものですが、最近は少し開き直りました。
こういう作品も演劇の中の一つなんです。必ずしも作品の中にメッセージが込められているとは限らない。表現者側の表現したかったことをちょっとのぞき見させてもらって、少し心を揺り動かされて帰るのは何も悪くない。

今回の作品もやっぱり同じような感想になりました。
でも、作がコトリ会議、演出がbaghdad cafeと、両劇団が絡んだ作品だというのは、すごくよく分かりました。
これまで観てきた両劇団の自分の好きだなと思うところが、綺麗に合わさっていた。

舞台はあるマンション(施設?)のロビー。
食器の使いやすさを調べるとかいう訳の分からない実験目的で集められて、一
月も共同生活をすることになった住人達のお話。

実験を企画する会社の男性社員、被験者として3人の男と4人の女。

前半はくだらないことでケンカしたり、実験ルールを破って叱られたり、恋が芽生えたりとか、色々なエピソードが淡々と進む。両劇団ともにいつも感じる緩さみたいな雰囲気を漂わせながら、話に引き付けてくる。
役者さんも個性的なキャラ設定になっているのだが、決してそれを無理に押し出している感じが無い。時折、小ネタをはさんで笑いを取られるのはコトリ会議の影響かな。

後半は特に何が変わったという訳ではないのだが、この世界に慣れてきたせいか、盛り上がってきた感覚を得る。
ふわりと浮いた雰囲気がまだ続く中で、シュールだったり、毒舌だったりする会話のやり取りやほんの少しだけドタバタしてきたロビーの感じが面白い。

最後もかわいらしい終わり方。
この人達、不器用だなあ、でも優しく温かい感じ。
ほんわかと善意が押し出される優しいエンドは、どちらかというとbaghdad cafeっぽい感じがする。

似てはいると感じるけど、決して同じには思えない両劇団がうまくはまったなあという印象。
役者さんだけ見てると、劇団の間の壁みたいなものが全く感じない。
いい脚本にいい演出、それに応えるいい役者さんっていうことなんでしょう。

普段はなかなかがっつりと舞台で演技されている姿を拝見できない山本さんと泉さんの熱演も印象的でした。
よく言う少年の心を持ったおじさんみたいな感じが滲み出た演技をされる。
かわいいなあなんて思ってしまった。

個人的には一瀬尚代さん(baghdad cafe)がすごく心に残っている。
私がまだ観劇し始めた頃に拝見して(19本目の観劇)、今でもずっと大好きな作品「キセキのこどもと私の飛ぶ空」。
この時、冒頭からこの方を拝見して、何なんだこの人って思ったことを覚えています。実はいい意味ではなく、これが演技なのみたいな生意気なことを感じたわけです。当時は観劇経験も少なく、演技って熱く前へ前へって感じが当たり前だと思ってたので、すごい違和感があったのです。
でも、観ている間に、冷静に淡々と振る舞われる中、押し殺した感情みたいなものが、時折ぽっと出てくるのがすごく魅力的で、すごいんだ、この女優さんって。しかも、よく見ると綺麗だし、みたいなおかしな見方を始めて。
最近もよく舞台で拝見しているのですが、ファンタジー色が強かったり、かわいらしい感じだったりで、あの時の雰囲気ではないなとずっと思っていたのですが、それが今回もう一度感じることができました。
この雰囲気を見たかったんです。観劇し始めて、今以上に毎回ワクワクしていた当時を思い出しました。

公演後、アフタートーク。
名前が記憶に残っている程度ですが、演劇界では非常に有名な方みたいです。
岩崎正裕さん(劇団太陽族 主宰)、西島宏さん(應典院寺町倶楽部 会長)。
プロはこのふわりとした掴みどころのない作品をどう表現されるのかなと思って聞いていました。
やはりプロですから、言いたいことを的確に巧みな言葉で語られていましたが、意外に作品の意図とかそんなものにこだわらず気楽に観ればいいんだという気持ちになるようなトークショーでした。
世代による演劇作品の作り方の違いなどを基に合同公演の難しさと、この合同公演がとても素晴らしいことが分かりやすく語られていました。
山本さんと泉さんが終始、大先生にご批評いただいてみたいな感じでおどおどしていたのが変におかしかった。こういうところもかわいらしい。

また、これからも個々の劇団の本公演を拝見して、この素敵な両劇団の魅力を味わい続けたいと思います。

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