栗田家の人々 ~我が家にやっと春がきた・・・~【CHO-ZIN】110508
2011年05月08日 トリイホール
一言で言うと、ワンシチュエーション、ドタバタコメディーでしょうか。
8人の役者さんが、どの方も普通じゃない。キャラが強過ぎる。
そんな方々のスレ違いが引き起こす笑いの絶えない作品。
この手の作品にありがちな、散々笑わせておいて、最後にホロリ。それで終わりと思わせて、本当に最後にとんでもないオチで終わりというパターン。
心地いい作品。
(以下、ネタバレ注意。公演は火曜日まで。終了まで白字にしておきます。この手の作品が好きな方にはかなり自信を持ってお薦めできる作品です)
作品名のとおり、栗田家が舞台。
母親の三回忌法要が始まるまでの数時間のお話。
父は蒸発。その苦労がたたったのか母親も3年前に亡くなる。
残された三姉妹は、母親が亡くなってから仲がうまくいかず疎遠になっている。
そんな三姉妹が久しぶりに家に集まる。
長女。一番しっかり者。家に残り、近所のスーパーに勤める。
スーパーの店長に惚れられており、嫌ではないが結婚まではまだ考えられないような状態。
スーパーの店長はかなりのお気楽者。店の経営難で実は莫大な借金を背負っている。
その借金取り立てに組の男がやってくる。本当は優しい男みたいで虚勢を張っている
次女。家を出て水商売をしている派手な女。
男に貢がせているような生活に長女は嫌悪感を持っている。
店で知り合い、次女と愛し合っていると言い張る男が次女がやってくる前に家に居座っている。
長女や店長に追い返されるが、バス停で知り合った名も知らない男を巻き込んでまた戻ってくる。
そこに、次女は求愛されている男を連れてやってくる。本気でその男のことを考えているのかはよく分からない。
三女。男勝り。男に交じって電気工事の現場仕事をしている。
借金取り立ての組の男とは知り合い。男の命の恩人らしい。
単純に羅列すると上記する人々が家を出入りしてスレ違いを起こしながらドタバタを起こす。
絶妙なタイミングで出会ったり、すれ違ったりがもどかしいながらも笑いを誘う。
もちろん、最初のうちは書いているような事実は分からない状態なので誤解が頻発して一向にまとまりを見せない。
最後は疎遠になっていた三姉妹の溝が埋まるような形になる。
本当の次女の姿が、姉妹や家族の絆をもう一度考えさせ、各々が本音で話し合えるようになる。
残っているのは巻き込まれた周囲の人たちが抱える問題。
これを解決するのが上に羅列した中のある人物。
三姉妹は各々個性的なキャラ設定になっているが、それがぴったり合った感じの役者さん。
と言っても、多分全員初見なのでイメージ的にそんな気がしたというところだが。
特に長女の高橋幸子さん(劇団青年座)は、この手の作品の落ち着いた役どころがすごく似合ってるように感じる。何か唯一落ち着いて見れる。
男優さんでは緒方晋さん(The Stone Age)、川添公二さん(テノヒラサイズ)はこれまでも拝見しているので、さすが面白いというのを再認識。
他の役者さんも絶妙なタイミングでのセリフの掛け合いなどが面白い。
目を引いたのは、キャラがあまりにも個性的すぎるのもあるのだろうが、日ノ西賢一さん(en:en)。
いつもあんな感じの役なのかな。だったら、劇団本公演もちょっと観てみたいな。
今回が2回目公演みたいで、初回DVDが販売されていました。
購入しませんでした。以前もどこかの記事で書きましたが、私がDVDを買わない理由はだいたい3つ。
・面白くないから
・お金が厳しい
・次回公演を観に来た時に買うことにして、なるべく足を運ぶようにしておく
今回の理由はもちろん3つ目。
さらなる傑作を期待したいと思います。
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コメント
遅ればせながら、ご来場頂きましてありがとうございました。嬉しい感想でコメントさせて頂きました。今後も、よろしくお願いいたします。青年座 高橋幸子
投稿: 高橋幸子 | 2011年7月 2日 (土) 02時27分
>高橋幸子さん
コメントありがとうございます。
だいぶ時間が経ってしまいましたが、心温まるいい作品だったのは今でも思い出します。
そして、皆さんの面白キャラも。
また、次回も拝見したいと思っております。
舞台でのご活躍、楽しみにしております。
ありがとうございました。
投稿: SAISEI | 2011年7月 2日 (土) 22時06分