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2011年5月31日 (火)

悪役姉妹~ムチと五寸釘~【スイス銀行】110529

2011年05月29日 Black Boxx

すごかったなあ。
ベテラン級役者さんが勢揃いなので、演技が。
うまいとかどうとかではなくて、そのオーラが。
言葉では伝わらないでしょうが、本当にすごい演技を見ると、芝居を観ている感覚がだんだん麻痺してくるんです。
現実と舞台上のフィクションの世界の区別がよく分からなくなる。

まあ、すごい舞台でした。
ただ、あらためて冷静に作品を振り返ると、本当に単純なコメディー話なんですよね。

舞台は旅館の一室。

そこに宿泊するベテラン女子プロレスラーコンビ。
片方は人気もあって実力派。もう片方は、噛ませ犬みたいな役割。
決して仲のよい二人ではありませんが、そんな中でも長年にわたってやってきたようです。
昔は華やかに活躍していた時もあったのですが、正直もうピークは過ぎている。

会社の方針は、容姿もかわいい子と何かよく分からない今風の子の若い二人を売り出していく。
そのために、対決させ、ベテラン女子コンビを負けさせる。そして、謎の悪役レスラーとして復帰させる。
そんな方針をレフリー兼会社の経営を担う男が伝えます。

しかし、そんな提案をプライド高いベテランが承知するわけありません。
噛ませ犬の方はレスラーとして生き残るために心が揺らいでいますが、実力派の方は辞めると言い出す始末。
ベテラン、若手、レフリーが揉めあう中、実力派のファンだと名乗る男が現れます。
何とか納得いく方針にと、話し合う中、事態はもう収拾つかない状況に・・・

一言で言えば、ドタバタコメディーです。
個性溢れるベテラン役者さんが、濃すぎるキャラでバトルを繰り広げるといった感じ。
終始プライド高く、会社方針に従わずふてくされた実力派、嶋田典子さん。
唯一まだまともな方か、噛ませ犬の久野麻子さん。
バトルのレフリー役、事態が全く好転しない気苦労を滲み出す一方で淡々とした笑いをとる川下大洋さん(Piper)。
かわいさの中でその汚い裏側を思いっきりみせてくれる若手レスラー、森有香さん(劇団そとばこまち)。
とんでもない不思議キャラ、空気を読まない言動で笑わせるもう一人の若手、平尾なつみさん。
なかでも、浅野彰一さん(あさの@しょーいち堂)は秀逸。熱烈が度を越えており、変態的なファンを演じられています。あんな鬼気迫る感じで笑わしてくる方はなかなかいないんじゃないでしょうか。
川下さんと浅野さんのやり取りなどは、さすがは関西の様々な分野で活躍される代表的な役者さんだけあって、見事なものです。もう芝居なのか何を見ているのか分からなくなるくらい。

まあ、話自体は上述したように、特に感動するわけでもなく、泣かされるわけでもなくといった感じです。それよりも、このレスラーというおかしな設定の中で、実力派役者さんを思いっきり活かしてみましたといったところでしょうか。
それだけに、役者さん各々の輝かしい力の発揮ぶりが見れて大変楽しい舞台でした。

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