REBIRTH ~ジュリエットとジュリエット~【ほどよし合衆国×Buddy!】110417
2011年04月17日 芸術創造館
劇団としては4回目の観劇。
毎回、楽しませてもらっているのだが、前回ぐらいから何か違和感を感じている。
話が飛躍し過ぎているのか、2時間ぐらいの話の前半がどうもついていきにくい。ある程度、状況を把握できた後半はしっかり集中できて、最後には十分に感動するのだが。
どうも、その前半の集中できない部分が後から気になって、素晴らしい作品だったと本当に書いていいのか迷う。
ラストを見た一瞬の感想は素晴らしいの一言なのだが、総合的に見て本当にこの作品をしっかり楽しめたのか疑問が残る。
四方囲み舞台。
中央の何もない舞台周囲を役者さんが囲み、場面に応じて舞台に上がる。
場面転換が早く、時間や空間軸を超えて同時進行する場面も分かりやすい。
前作と似た感じで、タイムスリップが一つのキーワード。
今回はそこにロミオとジュリエットもベースになっている。
内容的にはバック・トゥ・ザ・フューチャーに近い。
母親を亡くした、ちょっと後ろ向きな少女。
ばあやから母親の遺品を手渡される。
オルゴール。刻まれた年号。
引きつけられるように亡き母の母校へ。所属していた演劇部を訪ねる。
そこにはなぜか自分の名前が載っている脚本。書いた覚えはもちろんない。
知り合いの科学者を訪ねる。
真相を自らで明らかにしようと、タイムスリップするために。
行き着いた先は演劇部。
女性だけの劇団と男性だけの劇団。
色々とあって、お互い相容れない状況。
そんな中、劇団の壁を越えて付き合う二人がいる。
少女の将来の父と母。
母から自分は正体がばれていて会えないので、父宛ての手紙を渡すように頼まれる少女。
父と会う。
ひょんなことから芝居の練習に付き合わされるが、それがお互いにフィットする。
正体を隠して男性だけの劇団で父と演劇をする少女。
手紙は渡していない。母にはそのことを話していない。
次第に父に心も惹かれていく。
一方、女性だけの劇団からは脚本を作ることを依頼される。
自らが経験している今を記すことにする。
色々な悩みが心を乱し始める。
母に話さずに父と芝居している状況。卑怯なのではないか。事情があるにしても、全てを話して正々堂々と勝負をするべきではないか。
そして、この脚本の結末はどうすればいいのか。つまり、自分はどうすればいいのか。
自分が今、存在している事実はそれを決めているのだろうか。
少女が記したラストシーンは・・・
過去は変えることが出来ない。
それだけの理由で記したラストではない。
この経験で得られた振り返っても仕方がなく、前を向こうという気持ちから描かれた結末。
かなりはしょっていますが、あらすじはこんな感じ。
前半のタイムスリップするまでのきっかけ、演劇部の敵対状況の意味とかをつかむのに時間がかかりました。
後半はだいたいオチも分かるので、スムーズに観れました。
結末がだいたい分かってしまうので、面白味に欠けるような気がするかもしれません。これがなかなかそうならないのです。演劇の場合は。
確かにテレビや映画だと、結末が見えたあたりで面白味は半減し、後は意表を突いた展開を期待せざるを得ないような気がします。
ラストは、少女自身の時間の流れ、書いた脚本を通した芝居の時間の流れなどが交錯して、舞台は激しさを増します。この迫力が、面白味を損なわず、最後まできっちりと見せてくれます。
お決まりの結末とはいえ、泣いているお客さんもいらっしゃり、私自身も少しじんわりさせられるだけのいい演技と演出でした。
ただ、どうも上述したように初演、2回目あたりとは雰囲気が異なっているような気がして仕方がない。
ワークショップ公演みたいな、少し劇団としての方向性を模索するような実験的要素が入り込んでいるような感が否めません。
個人的には最初の頃の方が好きですがね。
それでも、次回公演があれば足は間違いなく運ぶと思いますが。
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