広くてすてきな宇宙じゃないか【大阪教育大学 演劇集団 Freedom Infinity】110403
2011年04月03日 ロクソドンタブラック
とても美しく綺麗な作品でした。
60分程度の時間に人の優しさ、強さも弱さも感じられる話が描かれました。
人とのつながりっていいよなあとちょっと考えて、いい気持ちで劇場を後にしました。
母親を亡くした家族の下に、アンドロイドのおばあちゃんがやってくる。
必要だと思った父親の提案だ。
それをアンドロイド供給会社の技術者も認めた。
長女、長男はおばあちゃんとうまくやっていく。
でも末女は反抗。
アンドロイドおばあちゃんは、そんな末女を本当のおばあちゃんのように常に優しく接する。
叱ったりはしない。お母さんではなく、おばあちゃんだから。
そんなおばあちゃんを嫌う末女は、アンドロイドおばあちゃんを停止させて破壊する計画を立てる。
弱点である電気供給を止めるために、電力発電所を壊していく大事件を引き起こす。
その結果・・・
そんな事件から4年。
アンドロイドおばあちゃんはもっと必要とされている家族の下へと旅立つ。
お別れの日。
家族全員でおばあちゃんを見送る姿。
実は冒頭のシーンがこれ。
そこから4年前に遡り、冒頭のシーンまでいきつくような流れの設定。
エンドが見えている形は、言葉どおり完全なネタバレで観るので、下手すると面白くなくなることがあるけど、今回は逆に安心感の下で観れたような気がする。
それに、いきついた後に、一工夫したエンドが用意されている。
なかなかうまい脚本だと思う。
観終えて、幸せな感覚しか残らない、完全な善意の塊が心地よい。
役者さんもキャラがはっきりしていて分かりやすい。
学生さんなのである年代に偏っているはずだが、家族思いで優しく一生懸命なお父さん、しっかり者の長女、まだまだ子供っぽい長男、幼いからこそ深い悲しみで傷つきやすい末女、子供たちの悲しみをただただ取り除きたい気持ちだけ持つ優しいおばあちゃん・・・など、幅広い年齢層の多彩な役を各々分かりやすく演じられていた。
一点だけ。
受付。
無料ということもあり、紙に名前を書いて順番に呼び出しみたいなファミレスのようなシステムを取られていましたが、それは劇場に来た人にしっかり言わないと分かりません。
早くから来たのにそれを知らずに、入場が遅くなった人が何人もいたはず。私もその一人。
それに、書いた順番が分からなくなるようではシステム自体に意味が無い。
観劇したのは公演2回目でしたから、1回目の状況を見てもっとうまくやれるはずではないかと思います。
ちょっと、いらっとしましたが、作品で全て相殺。
どころか、十分満足な公演という位置づけにしておきます。
作品名のとおり、広くてすてきな宇宙に生きてるんだなあと思わせるぐらいに、素敵な作品に仕上がっていたと思います。
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