マネキン【DOORプロデュース】110409
2011年04月09日 一心寺シアター倶楽
出演される8人の女優さんの大半が、所属劇団や客演でこれまで拝見して、かなり目を引かれた魅力ある方々。
たった1人の男優さんも一明一人さんという面白いお気に入りの役者さん。
作・演出がいつも趣向を凝らした作品を創られる早川康介さん(劇団ガバメンツ)。
まあ、観に行かない訳にはいかない作品です。
感想は下述するように色々と楽しませてもらったのだが、内容はアラサー、アラフォー女性の話なので、いまひとつ共感ができない。細かな心理描写も何となくしか分からない。
人によってはかなり共感できているのかなあと思わすような雰囲気の話でした。
舞台設定が面白い。
真ん中に柱一つ。
この柱を囲むように役者さんは演技をするので、当然、柱の後ろ側は死角になる。
シーン毎に柱が回って、その柱向こうが出てきたりする。
話は半生キャラメルの物産展で働く店長、店員、客のおりなす出来事をコメディー風に描く。
面倒くさい、失敗したので嫌、妥協したくない、自分のことしか考えられない・・・なんて理由で結婚をしないというか、特に人生の目標もなく逃げているような女性店員3人組。
そこに生真面目で正論しか口にしないような店長が絡んだあまりまとまりのない職場。
人気の品なので行列が出来る。
娘と母親、ちょっとケバそうな女性、おどおどした女性、大阪っぽいおばちゃん。
どこかずれていて互いに理解し合っていない親子、店長の不倫相手、店員の元旦那の愛人、列の割り込みを平気でして都合のいいようにまくしたてるおばちゃん。
こんな客と店員・店長が色々とするやり取りを面白おかしく進めていくだけ。
そこにアラサー・アラフォー女性の何かモヤモヤしたものを消して元気づけるようなものが隠されているみたい。
あくまで、みたい・・・
私にはよく分からなかった。
劇中、妥協という言葉がよく出てくる。
謝らない、認めない、そんな人ばっかり。
でも、我慢してないわけではなく、色々と我慢している。
妥協しないのは悪みたいな原則を突きつけられる世代だからこそ、とりわけその言葉に敏感になって抵抗してしまうのかもしれない。
チラシには元気づけられるようにと書いていたけど、元気出るかなあ。
妥協してもしなくてもこんなもんですよ、思ったまま自由に行きましょうよみたいな気持ちには何となくなる気がするけど、それを元気と言っていいのか。これ自体が妥協だしな。
ガバメンツ作品でもそうだが、作・演出、早川さんの作品はいつもこんな感じ。
答えがはっきりせず、観た者にかなりの部分を任せられる感がある。
これが良くもあり、悪くもありといったところで、今回みたいに共感しにくいときはモヤモヤが残る。
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