劇団ヘッドロココとマルコの長い夜【劇団ひこひこ】110424
2011年04月24日 シアトリカル應典院
劇団本公演としては3回目。
客演でよく拝見している役者さんが多いので、もっと観ている感じがするが。
これまでの中ではずいぶんとこの劇団らしからぬ、ストーリーがしっかりしており、何らかのメッセージを伝えるような作品だった。
おふざけもたくさんあるのだが、ちょっと真面目な感じで違和感があった。
どうでもいいような話をただおふざけでするみたいなめちゃくちゃな感じでここはいいのになあ。
小劇団の本番前日に起こった出来事が描かれる。
通し稽古。
いつも熱い座長がダメ出しをする。
今回、初めて重要な役を任された中堅劇団員にはかなり厳しいダメ出し。
通し稽古を見学する女性。
芝居経験も無いのになぜか見に来ている。
通し稽古も一段落して、小屋入りのためにそれぞれが動き出す。
ところが荷物運搬チームが車で事故。一緒に乗っていた看板役者もけがをして救急車で運ばれたとの情報。
公演中止に追い込まれるが、中堅劇団員は何とかしようと必死。
それもそのはず。今回の公演で演劇を辞めようと思っている。
その気持ちはまだ言っていないけど座長にも伝わっているみたい。
給料がもらえるわけでもない、生活は安定しない。ただ夢を追い求めて好きなだけでやっていくには犠牲にせざるを得ないものも多く相当の覚悟が必要。
もうここらで断念した方がという気持ちが出ても仕方がないことかもしれない。
そんな中堅劇団員の気持ちに反発するように見学していた女性が張り切りだす。
彼女も何か思うところがあるみたい。
ライバル劇団の看板役者も巻き込んで何とか公演ができるように準備を始める。
そんな時に強盗が現れる。
その強盗までも巻き込んで、必死の準備を行うが、その強盗、実は・・・。
ある程度は小劇団で頑張られているご自分達の気持ちを伝えているところもあるのだろうか。
普段よりもメッセージ性が強く出ている作品に感じた。
真面目なテーマではあるが、コメディー劇団を自負するだけあって、笑いの部分はやはり相当なもの。
役者さんが個性あふれる演技で楽しませる。
一番目を引いたのは、うみみさん(魔法のチョコレート)。
こんな方だったかな。
切れ方が半端じゃなかった。ガラスの仮面ネタも全巻読んでいる私としては、くすりと笑える。
途中、劇団赤鬼のベテラン役者さん、原敏一さん、下村和寿さんがコンビで出てこられる。
なぜか、ちょっとしたコント。
これがなかなか面白い。
この劇団はじめ、多くの劇団の作品を毎週のように楽しませてもらっているが、公演をするのはきっとこの作品の話のように大変なのだろう。
作品中の役者さんの葛藤もある程度の実話が入り込んでいるような気がする。
好きだから出来るというわけじゃない。そんな気持ちも理解できる。
じゃあ何でずっと続けているのかなあ。これは観劇を始めていつの頃からか思っていること。
ただ、小劇場の舞台で活躍されている役者さんは本当に素敵だ。輝いて見えるという表現は決して嘘ではない。
そのために犠牲にされているものがいかにあろうとも、それ以上の感動を与えている事実は忘れて欲しくない。
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