テノヒラサイズの致命的誤謬【テノヒラサイズ】110401
2011年04月01日 HEP HALL
平日お昼公演だったのに満席。さすがは人気劇団だけあります。
奇想天外な妄想世界やブラックな一面を見せながらも全体的には心温まる話に仕上がっているところは、この劇団らしくてとても好き。
もちろん、大満足の観劇ではありましたが、ちょっと・・・
感想がおかしいかなと思って他の方のブログやTwitterを見てみましたが、ほぼ100%が絶賛ですね。どうも、私がおかしいみたいです。
絶賛までいくかなあ。
私の正直な感想は、あくまで過去作品との比較ですが、物足りない。
公演時間中、テノヒラサイズワールドに引きずり込んで抜け出す隙を与えないくらいのパワーは感じなかった。
観劇初めての人に見せて、はまらせてしまうぐらいの力を十分すぎるぐらいに持っている劇団だと思っていますが、今回の作品ではその自信はないな。
あらすじはDVDを出す劇団なので詳細はそちらを参照。
レタス工場。
その工場のレクリエーション部に所属する6人組の話。
近々引退する予定のベテラン職人の会社をあげての送別会。
でも、レクリエーション部の面々はこの職人にあまりいい印象を持っていない。
開催を中止という意見も多い中、とりあえず形だけ行うことになってその準備を開始する。
その中で、本当の職人の姿が分かってきて、全員で盛大に送ろうという雰囲気に変わってくる。
運命の送別会当日。
これでハッピーエンドで終わるなら普通の話。
これまでに伏線として描かれていた6人の素性や、レタス工場という特殊な設定の意味合いが明らかになる。
本来ならばブラックで切ないお話。
これを職人との心のふれあいという暖かなテーマをうまく組み込んで、喜劇的な作品に仕上げている。
話としてはとても面白いが、やや奇をてらい過ぎな感も否めない。
物足りなさを感じたのは、恐らく、このおかしな設定の中で妄想的な世界を隙間なく叩き込んでくれればよかったのだが、6人組の隠された何かという伏線があまりにもずっと見え隠れし過ぎているような気がする。
ずっと、どこかでなぞ解きみたいな意識が強く出て、いつものように純粋に役者さんの面白おかしい言動を楽しめなかった。
今回は、6人組の雰囲気を変えていくのに重要な役がWキャストになっています。
私が観たのは、中岡優介さん(エンズプロモーション)バージョン。さわやかイケメンって感じです。
そのオーラなのか、6人組の雰囲気もどこかさわやかで、話もどこか善意的な展開を見せています。
劇団員の井之上チャルさんのバージョンでは、ちょっとブラック感が出ているという感想をあるブログで拝見しました。
カーテンコールでは新人さん4人の紹介も。
新人さん入るんだ。
人数も増えると、お得意のイスやロープを使ったパフォーマンスもよりレベルの高いものを見せてくれることでしょう。
今回も満足は満足ですが、また次回により期待をしています。
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