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2011年3月 7日 (月)

イエローハンカチーフ【hima neko style】110305

2011年03月05日 シアトリカル應典院

ほんわかコメディーですが、うまく出来ているなあ。

完全なハッッピーエンドにするにはどうなったらいいんだろうなんて考えながら途中から観ていましたが、ラストでなるほどと感心してしまいました。

これなら確かに文句無い。うまい。

ある一家。
お母さんと三姉妹。お父さんは8年前に出て行ってしまい、いません。
面倒見の良い活発な長女。同級生の警察官に熱烈に愛されています。
結婚が決まり、家を出ることになっている次女。
母や姉からの溺愛を受けて育った三女。

お父さんの友人の一人が、今、同居しています。お母さんに恋心を寄せています。
別の友人も同じように恋心を寄せているようですが、自分はとりあえずゆずっているみたい。

その他にもう一人の友人とお母さんの妹分でもある店のママさん。

そんな中、ある手紙が届きます。
お父さんからです。
「8/15に帰る」。2日後に帰ってくる。

ずっとほったらかしにされた家族の気持ち。
そして、同居している友人はどうすればいいのか。
パニックになります。

お父さんはとても短気な人。
帰ってきて、ただで済むわけはなく、同居していた友人は家を出て姿をくらまします。
それもそのはず。
まさか帰ってくるとは思っていなかったのです。
お父さんが8年前に崖から落ちて恐らくは死んでしまったであろうことを知っていたからです。
それをずっと黙っていた後ろめたさもあって出て行ったのかもしれません。

8/15が終わります。
お父さんは戻ってきません。

実はこれは別の友人と三女が仕組んだことだったのです。
いつまでもダラダラしている同居している友人の気持ちをはっきりさせるためにしたようです。
出て行ってしまい逃げ出したと判断した別の友人はお母さんに迫ります。
でも、その時、同居していた友人がやっぱりと戻ってきてしまいます。
修羅場。

結局、色々ありながらも、みんなが現状を打破しようとしておらず、なあなあに生きてしまっていたことが悪いと反省。
お母さんは自立する。友人や娘たちもそれを手助けするということで落ち着きます。
心機一転、みんなそれぞれの道へとまとまろうとしたところへ、「ただいま」の一声で家に戻ってくる人が・・・

とこんな感じのあらすじ。
ハッピーエンドですね。
戻ってきて、話し合って円満解決では普通ですが、まず自分達で踏ん切りつけてからなので、誰も傷つかなくなっているところに脚本のうまさを感じました。

一つ面白い趣向が凝らされており、お父さんの役はいません。
最後の一声は、あらかじめ決められた客が言うことになっています。
当たりの席に座った人がその大役を担うのですが、私ならそんなもの任せられたらずっと気になってまともに観劇できないですね。

作品名のイエローハンカチーフは、ご存知、幸せの黄色いハンカチから。
夫を待つ妻の気持ちを表すキーワードになっています。

役者さんは何人かはこれまでにも拝見したことがあるのですが、同居している友人役の一明一人さんは頼りないながらも純粋な雰囲気がにじみ出ていてよかったなあ。
終始、下手すると修羅場を迎えてドロドロしそうなことを、ふんわりと包んだ静かな空気で維持しているのも役者さんの力のように感じます。
お母さん役の辻田有美さんの強いのか弱いのかよく分からないかわいらしい雰囲気、個性豊かな三姉妹のうまいバランスがその雰囲気を作り出しているように思いました。

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