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2011年3月 5日 (土)

余命2日間クルーズ【もぐらっぷ(劇団土竜×劇団ぎぶあっぷ)】110304

2011年03月04日 芸術創造館

劇団ぎぶあっぷは一度拝見したことあり。劇団土竜は初なはずです。
でも、その割には何か役者さんは観たことある人がかなりいました。

感想は見事なエンターテイメント作品だと思います。
オープニングダンスからかなりやられました。
ミステリー的な話の中にコミカルとシリアスを緩急つけて盛り込んでおり、時にはバカ笑いしながらも、時には真剣に話に入り込んでしまう。
私としては、魅力的な演劇作品の模範となるようなものでした。

(以下、若干ネタバレ。公演は土日まで続きます。公演終了まで以下は白字にしておきます)

舞台は船上。20周年の記念イベントクルーズです。

おかしなキャプテンに、それに負けずと個性的な観光船の乗務員たち。
船が好きで夢かなって乗組員になるものの、もっと大きな船に乗りたいと満足していない男、ケンカっぱやいが一生懸命な女性、しっかりものの女性、ちょっと変わったかわいいらしい料理人、おかしな黒人。

その船に乗り合わせた、これまた色々な事情を抱えた客たち。
何をやってもうまくいかない男とそれをずっと見守ってきた友人、編集者とその人を好きになり過ぎて自分の小説が書けなくなっている作家、今どきの若い女性、学校の先生、女性カメラマン、ケンカっぱやい男、怪しげな男、おかしなロシア人男性にそれに恋する年配の女性、その娘。

そして、観光船会社本部から、船の存続を判断するために派遣された女性。
本部には社長とその秘書。

そんないかにも問題が起こりそうな面子を載せて、船は出発。

出航して間もなく、船の中で事件発生。
「2日以内に誰かを殺す」という犯行予告手紙が。
密室なので、船の中の誰かが犯人。

あわてふためく船に乗る人達。

ところが、様々な問題を抱えている人達が集まった船。
犯人捜しをしている中で、その問題がこじれ始め、もう自分を殺して欲しいと覚悟を決めてしまう人たちが頻出します。

殺されることに恐怖する姿を楽しみにしていた犯人は、業を煮やして逆にそんな人達を励ましたりし始めます。

それが犯人を決める大事な手がかりとなりました。
犯人は・・・

最後、犯人は明らかになりますが、それですべては終わらず、話はもう一展開みせます。

単なる犯人探しのミステリーになっていないところが、この作品のすごさを感じるポイントの一つです。
船に乗る人が抱える色々な問題までをきちんと解決してのハッピーエンド。
見事な脚本だと思います。

問題は夢と現実の話や男女・親子の信頼の話など、どれも何となく共感を覚えるようなものばかり。
そんな人達の会話のやり取りの中には、心に響く言葉がたくさんあり、自分の経験に照らし合わせたりして、あ~こう考えると確かにいいなあとか、もしかしたら、あの時相手もこう思ったのかなあなんて、すっかり真剣に話に引き込まれます。
と思ったら、キャラが濃い人が多いので、急に笑いに転換したりと、コミカルとシリアスがうまい具合に融合して飽きが全くこない素晴らしい作りでした。

役者さんは皆さん、個性豊かなので全員、目を引きました。
よくこれだけの方が集まったものです。
当日パンフに書かれているとおり、一体感が非常に伝わってくる作品でした。

ジョイント公演なので、もう無いのかな。
かなり楽しかったので、また機会があれば、こんな作品をまた見せてもらいたいです。

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