恋する、プライオリティーシート【コメディーユニット磯川家】110131
2011年01月31日 一心寺シアター倶楽
千秋楽を観劇。
初日の感想:(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/110126-44da.html)
次の日からインフルエンザにかかってしまい、感想記事がずいぶん遅れてしまいました。
まだ、ぼ~っとしていますが、忘れないうちにと記しておきます。
仕事はせずとも、ブログは書ける。
休んで仕事を任せている人たちからすれば、呆れてしまうことでしょう。
申し訳ない。でも、演劇の感想を書いていると少しだけ楽になるんだ。
初日の繰り返しになってしまいますが、本当に幸せな気持ちになれるいい作品でした。
大阪はこれでおしまいですが、東京の方は公演回数も多いですし、ぜひ足を運んでいただきたいです。
出来ることなら2回以上観ると面白いと思います。1回観たら、もう一度観たくなるとは思いますが。
日程調整が大変でしょうが、無理してでも是非にということです。
色々な伏線が隠されており、2回目の観劇時に気づくことがたくさんあって、より楽しめます。
まあ、勘のいい方は最初から気づくのかもしれませんが。
話としては障害を抱えているがために、人の思いやりを素直に受け入れられない女性。
それも理由が、受け入れることによって他人に負担を強いてしまうから。
そんな女性が、女性を全てをひっくるめて好きだというバーテンダーや周囲のおバカだけど優しい人たちによって、救われていくまでの話です。
終始、笑わされるコメディーのスタイルを基本にしながらも、ところどころで涙し、最後には周囲を気にさえしなければわんわん泣けるような、この劇団独特の魅力を発揮している作品です。
自分の不幸を取り除こうと他人が何かをしてくれる。でも、それは相手に負担をかけてしまうからと拒絶する。
「恋愛はイーブン」
「勝手に他人を美化するな」
「人は優しさを持ち合わせているもの。その優しさを出して何がいけないのか。」
「好きなようにすればいい。同じように他人も好きなようにしている。何かをしてあげたいからする。それを拒絶するのは、逆にわがまま」
そんな言葉が劇中に出てきます。
言葉でうまく書けませんが、最後、優しさをごく普通に与え、受け取れる関係になったのだと思います。
それは何かをしたからではなく、そんな関係の人達に囲まれていることに気づいたからかな。
障害を持つ女性へのバーテンダーの真摯な思い。それこそが本当の思いやりや優しさにつながっているのでしょう。
女性のさんざんなわがまま、傍若無人な言動やふるまい。これに対してバーテンダーは決して非難することなく、ただただ自分の思いを伝えることに終始します。これは周囲の人達も同じ。
そんな行動の基になっているのが、女性への信頼。
女性が優しい人であることだけを信じて疑わず、それを否定するようなちょっとした女性の言動に一切心を振り回されることがありませんでした。
人を思うのは大変。また、それを伝えるのも大変。言葉・行動、何を使っても。
相手あってのことだから、思っても思われていなければ不安だし、伝えても伝わっているのかを何をもって知ればいいのか分からない。
思うのをやめれば、伝えるのをやめれば、無理矢理理解させれば・・・
そんな寄り道も人間だからするんじゃないかな。この作品ではした人はいなかったけど。
それをずっと継続した後に得られる幸せの大きさを知らされるような作品。
いい作品であることだけは間違いない。
素敵な人たちがたくさん出てきて、そんな人たちがみんな幸せになる。
そんな喜びを一緒に味わえると思います。
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