非実在少女のるてちゃん【笑の内閣】110115
2011年01月15日 アートコミュニティースペースKAIKA
劇団としては初観劇。
昨年から演劇界では大変うわさになっていた作品。
テーマが青少年健全育成条例だから、賛成派、反対派ともに巻き込んで色々と議論されていたようです。
感想を先に書いてしまうと、深いテーマを真剣に扱った作品なので、こんなこと書くとひんしゅくかもしれませんが、面白かった。
もちろん、テーマの内容も劇中でしっかり把握できたし、条例の問題の大きさもこうして観劇する側の人間としても重大なものであると認識できた。
でも、このテーマでよくこんなに面白い作品をよく創ったなあというのが今の気持ち。
(以下、あらすじを少し書いていますが、観劇にはさほど支障が無いと思います。気になる方はやめておいてください。公演は日曜日も2回あります。)
あらすじは簡単に書くとこんな感じ。
ある高校の漫画部が廃部に。
理由は政治家と密に接する教師が条例賛成派であるため、性的な表現をする創作物を排除するため。
そんな時、漫画の世界から魔法少女のてるちゃんがやってくる。
人間界では魔法が使えず、言葉だけを武器に仲間を集めて条例否決を目指す。
漫画部の部員たちや同じ考えを持つ先生や議員たちが集まり、賛成派の人たちと議論を開始する。
本当に議論するシーンがあるのだが、賛成派、反対派の意見どちらもそれなりに納得できるものがある。
また、きちんとした資料(例えば、規制の厳しい国で本当に強姦など性的犯罪が抑制されているのかなど)の説明などもあり、この問題をそれぞれ真剣に考えてみてくれという気持ちがぶつけられる。
途中テロップで流れた、ある牧師の言葉。
しっかり覚えていないが、ナチスがユダヤ人はじめ色々な主義を弾圧する。その時、自分は関係ないから何もしなかった牧師。
教会が弾圧されるようになった時、初めて動こうとするが、時既に遅し。仲間はいないし、逆らう手だてもなかった。
本当にこんなものかもしれない。色々なことが。漠然とした不安を感じて怖い。
議論中に反対派から出た意見。
何でも規制して守ってあげるのではなく、失敗をしたりして得た経験をさせてあげることも重要。
性的な欲望を青少年が持たないわけなく、それをただ見えなくしてしまうのではなく、そこから得た経験を大事なものにしてあげる。確かにそれこそ、すでに成功なり、失敗なりそれなりの経験をしてきた大人の役割だろう。
真正面からぶつかっている姿には感銘を受ける。
何が出来るのかは分からないし、こうして気持ちをぶつけられた今でも、正直、特に何かをする気にはなっていない。
それでも、真剣に考えている人たちの気持ちをもらいに行くことは決して悪いことにはならないと思う。
もう、明日しかないが、足を運べるなら是非観て欲しい作品です。
それにしても単純所持とか本当にどうなるんだろう。
18歳未満の性的表現物。そんなもの、恥ずかしながら、家の押し入れにいっぱいあるよ。
一発で捕まるな。
今日も昨日に引き続き、思い出として一つ書き留めておく。
開演前、劇場下のファミリーマートで以前からお話ししたかった方とご挨拶。制作の仕事をされている方。
観劇をしていると、役者さんはいってもそんなに頻繁に出演されているわけではないから、なかなか同じ人に出会える機会は少ない。でも、受付などスタッフの方々(制作っていうのかな)はけっこう同じ方と出会うことが多い。下手すると、違う劇場なのに数週間連続でお会いしたりする。
そんなことを繰り返しているうちに、こちらも顔を覚え始めて、向こうもよく見るなぐらいに思ってくれているのかな。変な親近感が湧いてきて、いっぺんお話してみたいなと思っていた方だ。
私はこのブログでもたまに書くが、作品を観に行くのはもちろんなのだが、公演自体を観に行っているつもりなので、受付などスタッフの方々の対応が悪いと非常に気分が悪くなる。たまにそのことを非難する記事を書いている時もあると思う。
いい料理屋でいい料理を食べて満足なわけで、しょうもない店でおいしい物出されても十分には満足しないし、あまりその店には行きたくなくなる。もちろん、それでも足を運びたくなるぐらいの料理を出すところもあるが。
話がそれたが、演劇も同じ。
劇場に入って、作品観て、出ていくまで楽しく過ごしたい。
当たり前のようだが、これがうまくいかないことも多い。
これがいつも安心して楽しめるなあと思わせてくれる方が今日お会いした方です。
丁寧で大変誠実な雰囲気で劇場に出迎えてくださるので、いつも感心していた。
今日、お会いして少ししかお話しできなかったが、やっぱり想像していたとおりの感じの方だった。
とても嬉しかった。
ちなみに、この方以外に名前が全く分からないのだが、眼鏡をかけて少し怖そうな感じの男性、ちょっとボブみたいな髪型でウェストポーチをよくしていて現場でバリバリやってますという雰囲気の女性、いつもふわっとした服を着ていてほんわかしてそうな女性の3人が、勝手に私が信頼している方々。
この方達にも機会があれば、おかげでいつも楽しく観劇させていただいています、ありがとうと言いたいです。
昨日に引き続き、いい一日でした。
| 固定リンク
「演劇」カテゴリの記事
- 【決定】2016年 観劇作品ベスト10 その3(2016.12.31)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その2(2016.12.30)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その1(2016.12.30)
- メビウス【劇団ショウダウン】161209(2016.12.09)
- イヤホンマン【ピンク地底人】161130(2016.12.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント