STRAWBERRY FIELD FOREVER【関西大学劇団万絵巻】101205
2010年12月05日 芸術創造館
2010年度の卒業公演。
今年の1月に2009年度の卒業公演を拝見して、すごい大作にびっくりしたので、楽しみにしていました。
今年は前年と打って変わって、ファンタジー色が濃い作品に。メルヘンの世界に扮したキャラ達が面白おかしく動き回っていました。
個人的にはこちらの作風の方がリラックスして観れるので好き。でも、卒業生の皆さんが気を悪くするかもしれませんが、正直なところを書いてしまうと、前年よりも完成度が低いような印象を受けます。色々な点で荒いというのでしょうか。話の内容自体が不思議な設定なので、そう感じてしまっただけかもしれませんが。
それでも普段観ている有名な劇団に決して劣らない出来。十分に楽しませていただきました。
三流童話作家がメルヘンの世界に連れられて、失われた童話の結末、ハッピーエンドを取り戻す設定。
童話の世界では、様々なキャラ達が自分の物語を作ってもらおうと作家の取り合いに。激しい対立が繰り広げられる中、作家自身が自分の過去と向き合い、自分のハッピーエンドを見つけ出すような話。
うまく書けない。ごちゃごちゃしていて、難しいです。シーンも並行して、切り替わりが多いので。観ていれば分かるんですがね。
前回の卒業公演の記事では、役者さん全員の感想を書いているので、今回もパンフレットを見ながら4回生の方々の一言コメントを。
・餅月きな子さん
シンデレラ役。普通のシンデレラと違って、強くたくましい行動力あるキャラになっています。その雰囲気はすごく出ていました。美人さんなので妖艶なイメージかな。変に色気のあるシンデレラになっていました。
・itoxさん
豚マフィアのボス役。計算なのかな。違うならだいぶやってしまいましたね。やっぱり緊張するんでしょうね。まあ、笑いでカバーされていましたが。
・大東諒さん
ヘンゼル役。と言っても、グレーテルと兄妹で強盗をするキャラです。飄々とした感じが出てて、冷静沈着なスマートな演技。
・ザキ有馬さん
現実世界の童話作家の編集者役。この方は今年、ずっとステージタイガーの客演で拝見。荒々しい大きな演技はここでも健在でした。いつもテンションマックスみたいです。相変わらず声が大きい。
・亀井奨平さん
童話作家のもう一人の自分。ハッピーエンドを望まない、いわば悪役。何かに恨みを持ち、自分の中でこもった悪意ある感情をナルシスト的に出してくる。よく見かけるありがちなキャラですが、なかなかお似合いでした。舞台の始まりがこの方の語りですから、プレッシャーだったでしょう。でも、うまく演じられたので話に入り込みやすかったです。
・黒川善樹さん
狼ヤクザのボス役。独特の雰囲気があります。この雰囲気、どこかで拝見したことがあるような気がするなあ。前回卒業公演と呪いの館で・・・しか観たことないので、それに出てたのかなあ。不思議な魅力のある方です。
・頓名隆太さん
童話作家。主人公ですね。メルヘンを追い求める純情な作家さん。本気で童話が大好きという優しそうなキャラはお似合い。この方は間違いなく前回出演されている。何か面白いことされて笑った覚えがあります。
・しぃさん
赤ずきんちゃん役。シンデレラ役と同じく、普通の赤ずきんちゃんとは違って、ハンマーを振り回して敵を倒すような強いキャラです。それでも雰囲気は赤ずきんちゃんのように無邪気でかわいらしい。この方も前回公演で覚えている。この時もかわいい役だったから。基本的にかわいいと印象付くと確実に役者さんを覚えます。
・中谷紗希子さん
シンデレラがタバコを吸うと出てくる魔女役。実は重要な役どころ。最後もこの方がいいところを持って行かれます。
・マユミさん
豚マフィアの手下の1人。小柄でこれまたかわいらしい役どころ。ちょこちょこした動きがいい感じ。3人組の手下で他の役の男役者さんがけっこう個性あるのにも負けず、活躍されていました。
・向井所愛さん
童話作家をメルヘンの世界に連れて行く白ウサギ役。作品中で話を進行する案内人みたいな感じなので目を引きます。ウサ耳はまあ鉄板ですわね。
・村上香織さん
グレーテル役。強盗。実童話のキャラとは似つかない強気な振る舞い。ヘンゼルとの兄妹強盗は、見てると微笑ましく面白い。
これで全員かな。他に裏方さんもいらっしゃるのでしょうが。
あっ、肝心の作・演出が大西悠介さん。舞台上で最初と最後に挨拶されていましたが、まあ個性的そうな方。こんな作品を作り上げるのもよく理解できるぐらい変わった感じの方でした。
千秋楽ということもあって、最後は下級生が4回生に花束贈呈。全員が舞台に勢ぞろいしていましたが、大所帯。まとめるのも大変だったでしょう。
きっと4年間頑張ってこの作品を作り上げた成功体験は今後色々なことに活かされることと思います。
願わくば、また舞台で拝見できることを願っています。
今年の当日パンフレット。前回は巻物風でした。
凝ってますね。ホームページの公演案内も凝ってるし。
こちらでも頑張られた4回生の方がいらっしゃることでしょう。
観劇記念に保管しておきます。
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コメント
はじめまして、万絵巻の頓名と申します。
ご来場いただきまして本当にありがとうございました。
こんなにもご丁寧に感想を書いていただいてとても嬉しいです。
ご指摘いただきましたように、今回完成度が低かったことは反省すべき点であります。稽古不足のままお客様にお見せしてしまったことは言い訳できません。今回の反省点を活かしてこれからも劇団員一同精進してゆきたいと思います。
今回の作品を、少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。
ご迷惑かとは思いましたが、嬉しさのあまりコメントさせていただきました。
どうぞ、これからも万絵巻をよろしくお願いいたします。
投稿: 頓名 | 2010年12月 6日 (月) 20時33分
>頓名さん
コメントありがとうございます。
生意気書いて申し訳ないです(゚ー゚;
学生さん達が作っているとは思えないくらいの素晴らしい作品でしたよ。エンターテイメント性の高い要素もたくさんあり、楽しく観劇できました。
今後も万絵巻さんの活躍を期待しております。
もちろん、頓名さん自身も。
どういう道に進まれるのかは知りませんが、この作品の役のような素敵な人生を歩まれることを祈っております。
ありがとうございました。
投稿: SAISEI | 2010年12月 7日 (火) 10時47分
遅ればせながら失礼いたします。
12月5日の2010年度卒業公演「STRAWBERRY FIELD FOREVER」にて作演を担当させていただいた万絵巻の大西です。
このように我々の公演の感想を事細かにに書いていただいて非常に嬉しく思います。
頓名君に続いてSAISEIさんに感謝の意を述べたい。本当に感謝感激です!
ご指摘の通り今回の公演は非常に荒が目立ってしまった公演でした。大勢団員を取りまとめることがこれほどまでに大変であるとは・・・。
ひとつの公演の責任者として自身のリーダーシップのなさに対し、お客様にも、劇団員達にも、非常に申し訳ない想いです。
聞くところによりますとSAISEIさんは昨年度の卒業公演も鑑賞なされたそうで、また再び万絵巻の公演をご覧いただいたことは私共にとって大変嬉しい限りです。
卒業公演の末尾に申しました通り、二月末に茨木市の市民ホールで当劇団の一回生が中心となって新人発表公演を打たせていただきます。
手前味噌ではありますが、一回生は皆パワフルで才能豊かな子達ばかりです。
なんでも豚ギャングと狼やくざのNO.2同士が競演し合うそうなんですよ!
興味とお暇があれば是非足をお運びください。劇団員一同心からお待ちしております。
長々と失礼いたしました。本当に我々四回生最後の公演にご来場いただき誠にありがとうございました。
今後とも万絵巻をよろしくお願いいたします。
・・・あ、僕変わり者に見えました?普通ですよ普通(笑)
投稿: 大西 | 2010年12月27日 (月) 20時03分
>大西さん
コメントありがとうございます。
作演の方からコメントいただけるとは大変恐縮です。
とても楽しく、色々な趣向がほどこされている面白い作品でした。
壮大な作品を大所帯で創り上げていく御苦労、大変だったこととと思います。
少なくとも私のような一般素人をすごいなあと思わせるようなものを完成させたことは是非誇りに思って今後も様々な分野で御活躍ください。
若々しい学生さんの公演も是非拝見させていただきたいと思います。
ご自分で意識されていないかもしれませんが、すごい変わったオーラが出てますよ(*^-^)
立ってるだけで感じさせるオーラ。ある意味、羨ましいです。
これも是非活かして、ご活躍ください。
ありがとうございました。
投稿: SAISEI | 2010年12月28日 (火) 11時26分