男亡者の泣きぬるところ【赤星マサノリ×坂口修一 二人芝居】
2010年12月26日 インディペンデントシアター1st
さすがの貫禄。
関西を代表する名役者さんお二人ですから、当たり前か。
話はよく出来ているし、面白いし、お二人の小ネタもたくさん見れるしで、それはもう楽しい作品でした。
(以下、ネタバレ注意。大阪は本日で千秋楽。これから全国公演が行われます。まだ札幌、東京だけらしいですが、増える予定みたいです)
始まりは事故で止まったエレベーターの密室。
居合わせた2人の男。
1人はちょっとダメそうな落ち着かないサラリーマン。坂口修一さん。
もう1人は遊び人風。赤星マサノリさん。
こんなことでもない限り、話をする仲にはとうていなりそうにない2人です。
遊び人風の男は人生に疲れてしまったみたいです。どうもエレベーターに乗って、屋上へ行き、そして・・・
サラリーマンは人生運が少しずつ上昇中。最近結婚して、もうすぐ子供も生まれるようです。
そんな2人が話をしていると、切っても切れない縁でつながっていることがどんどん分かってきます。
名前が同じ。同級生。いじめられっ子だったサラリーマンが自殺しようと屋上から飛び降りるのを遊び人が止めている。サラリーマンの好きだった子は遊び人の女。
遊び人の父親はサラリーマンそっくり。産院で取り違えられた可能性がある。遊び人はおかげで貧乏生活。
サラリーマンの妻は遊び人の元カノ。遊び人がひもになって、ふられた直後に付き合っている。
・・・
かたや少しずつ上昇中の人生を進むサラリーマンに対し、どんどん下降していく人生を歩んできた遊び人。
呪われた2人の運命は、2人の前世にまでさかのぼる。
こんなことが分かって、争い合う2人。
エレベーターは動かない。
サラリーマンが持っていたラジオを聞く。
ちょうど人生相談の番組。出演しているのはどうもサラリーマンの妻。
その中でさらに2人の知らなかったことが分かってくる。
エレベーターが動く。
助かって晴々しい笑顔を見せる男と落ち込みがっくりしている男。
晴々しいのは遊び人。がっくりしているのはサラリーマン。
分かりにくいでしょうが、ざっくりしたあらすじ。
書きませんでしたが、ある物が重要なキーワードになっており、最後のオチもそれが絡みます。
役者さんは、密室エレベーターシーンや回想シーンをめまぐるしく切り替えて話を進めます。
それと2人しかいないので、第3者役とかはどちらかがするというように固定せずに、そのシーンごとに2人が切り替わりながら行います。
違和感が出そうですが、全くすんなり観れてしまうところがお二人の技量の高さなのでしょうか。
とにかく、多彩な面白味を含んだ素晴らしい作品。
見逃した方は、東京、札幌などに足を運んででも観る価値はあると思います。
特にお二人のファンなら絶対に。
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