« 小豆島八十八箇所遍路の旅 その33 | トップページ | 【達成後】ビリーズ・ブート・キャンプ 実施中 その4 »

2010年12月 3日 (金)

新約 白血球ライダー2000【神戸大学演劇部 自由劇場】101202

2010年12月02日 神戸大学国際文化学部 大講義室

神戸出張の帰りに観劇。

神戸大学なんて初めて行きました。大講義室はキャンパスの奥の方にあり、途中、食堂や生協を通ったりします。隣は部室にでもなっているのか、看板とかを作成するためのラッカーとかが散乱。喫煙スペースもごちゃごちゃしており、今や20年昔の大学生時代を思い出しました。当然、若い人たちばかりで、おじさんが紛れこんで大丈夫なのかなあとおどおどしながら会場に向かいます。

興味があったのは、西田シャトナーさん脚本のこの作品を公演されるということ。
ここ2年で観劇を始めた私のような人は、まずピースピットあたりのすごさにすぐ魅了されます。そして、そこの天才的な作・演・役者の末満健一さんのすごさに気づきます。
そうすると、一昔前に関西演劇界に旋風を巻き起こした惑星ピスタチオという劇団の存在を知ることになるのです。
この作品の脚本、西田シャトナーさんや腹筋善之介さん、佐々木蔵之介さんなどはこの頃に大活躍されていた方らしいです。残念ながら、もう解散されているので、そのお姿や作品を観ることはできません。DVDですら入手はかなり困難なようです。

それが、学生さんたちの手によって、少なくとも作品が見れる。
非常に楽しみにして行きました。

先に感想を書いてしまうと、観に行って良かった。
実際どうだったのかは分かりませんが、これまで聞いているうわさからすると、多分、今回観劇したような作風で公演をされていたんではないかと思います。
自分が今知っているピースピット色や聞いている惑星ピスタチオ特有の演出が感じられて、とても勉強になった気がします。
とてもいい公演をしていただけたことに感謝です。

作品の内容は、かなり奇想天外な物。

癌が発現、さらにHIVに感染して脳死状態に陥っているが、体内には胎児が宿っているような人の体内を世界にして、白血球と癌細胞が戦いあうような話です。
生物関係は私の専門分野ですので、話として理解しやすいのは当たり前なのですが、よくこんなに実際の学術的な事実に忠実に作るなあと相当感心するものでした。

膵臓工業地帯、脊髄ハイウェイ、胎盤山脈・・・。頭の中がどうなってるんだろうとちょっと恐ろしくなるくらいの天才的な作品です。
この奇妙な世界設定の中で、役者さん演じる各々の細胞がうまく個性、いや細胞の特性を出されて演じられていてすごかった。

正直、最初はちょっと学生さんという色眼鏡で見ていたところもあり、何か自己満足的な感じで嫌だなあなんて思って20分ぐらい少々ウトウトしたりしていたのですが、途中からすっかりはまって見てしまいました。
豊富な運動量に、シーン毎に隙間の無いうまい演出はかなり見応えがあります。

役者さんは当然知っている人などおらず、これまでも見たことが無い方ばかりです。
全体的に気合いが入り過ぎなぐらいで、見ようによってはちょっと暑苦しい。でも、これが多分、この学生劇団さんの持ち味であり、恐らくは西田シャトナーさん作品に忠実なところなのかもしれません。

主役の白血球ライダー役、風見うえしさんはかっこよかったなあ。最後は精根尽き果てたみたいになっていましたが、そりゃああれだけ動けばいくら若くてもそうなりますわね。まあ、このあたりは他の役者さんも同じ。懸命さがとても伝わり、それがこの作品を単なるおかしなおふざけ話にしないで質を高めています。

とりあえず、来週も同作品を神戸KAVCで公演。3月には卒業公演もあるようです。
これだけの物を見せてくれるなら、また行かないと行けませんね。
楽しみにしています。

|

« 小豆島八十八箇所遍路の旅 その33 | トップページ | 【達成後】ビリーズ・ブート・キャンプ 実施中 その4 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 新約 白血球ライダー2000【神戸大学演劇部 自由劇場】101202:

« 小豆島八十八箇所遍路の旅 その33 | トップページ | 【達成後】ビリーズ・ブート・キャンプ 実施中 その4 »