世界機械と海の姫【劇団ショウダウン】101113
2010年11月13日 インディペンデントシアター2nd
壮大な歴史大作。
2幕、約3時間にわたる観劇でぐったり。
この劇団はたしか3回目の観劇になるはずだが、どんどん大作を仕上げてくるようになっており、観る側もちょっとした覚悟がいる。
物語の始まりは、千年の時を生きる伯爵と不死身の執事が、転生の場所を探しに人の踏み入れない深き山を登っているところから。
なぜそんなことをしているのか、2人の軌跡を歴史を遡って描かれていく作品。それは、紀元前までに至る壮大なドラマ。
紀元前。場所はエジプト。国王率いる最強の王国と海の民と呼ばれる海賊が激しく争う時代。
海の民を率いるリーダーはわずか14歳の少女。
その時を生きた2人。
伯爵は歴史の流れから、自分の愛した少女を自らの剣で刺すことになる。
歴史を変えて愛する少女を救う。
今を生きる2人は過去へと旅立っていく。
1幕では、2人が過去に向かうことになった経緯やマリーアントワネット、ヒトラーなど史実に基づいたエピソードを交えながら語られていく。
2幕ではついに紀元前、2人が変えなくてはいけない歴史の時点までたどりつく。
しかし、そこで待ち受けるのは、歴史を変えさせることを許さない神との戦い。
繰り返される歴史。
しかし、2人はたった一つの可能性を信じて、また長い旅を始める。
ここで冒頭のシーンに行きつくわけです。そして、もちろん・・・
よかった、よかったというハッピーエンドです。
ボリュームたっぷりでした。
目を引いたというか、この作品では完全にこの2人にしか目がいかないんじゃないでしょうか。
伯爵、永井悠造さん(隕石少年トースター)と執事、土性正照さん(劇団赤鬼)。
どちらも、かなり好きな役者さん。
この2人のコンビが絶妙。
ひょうひょうとしている伯爵にいいかげんそうな執事。でも、2人とも心に熱いものを持って一生懸命。
そんな役どころがぴったりはまって、楽しく作品を拝見することができました。
逆に他の役者さんが少々かすんでしまって、ほとんど印象に残っていない。
そのあたりのアンバランスさは何か微妙な感覚として残っている。
何はともわれ、こんな立派な大作を生観劇出来て良かった。
最近、この作品を含め、幾つかの作品を拝見して思うが、もう小演劇のレベルを完全に越えてしまっている劇団がたくさんある。
客数、質もそれについていかないと、せっかくレベルアップしているのにもったいない。
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