鈴木家の謀略【劇団そとばこまち】101108
2010年11月08日 そとばこまちアトリエ Black Boxx
劇団、1年半ぶりの本公演らしい。
けっこう、この劇団は観てきたつもりでいたが、そういえばそとばKitchenやらドン小町やら関西小劇場.comやら、何やら副題みたいなものが冠についていた。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/kitchen100322-e.html
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/100530-5094.html
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/com100829-e376.html
ということは、劇団の本公演としては初観劇ということになる。
もうだいぶ役者さんの顔も覚えて、どんな芝居をされるのかもイメージ付いてしまっているので、新鮮味はあまりない。
いつもどおりの計算し尽くされた脚本・話の展開、面白役者さんやちょっと人情味あるほろ苦いラストを楽しませてもらうつもりで行ったら、今までと全然違った。
良い意味でも、悪い意味でも裏切られた感じ。
(以下、まず大丈夫ですが、一応ネタバレ注意。公演は今週末もあります)
話は日本の姓を統一化するということで、各姓の代表者達が繰り広げる戦いを描いたもの。
舞台上では、自分の姓を守るために「佐藤」「鈴木」「渡辺」「田中」「勘解由小路」の5人が様々な手段を用いて熱く戦っている姿が演じられる。
そのかたわら、まさに今の現実と似た感じで、それを真剣に見守る者、そしてどうでもいいよと単なる傍観者の姿も見え隠れする。さながら観劇客個々がそれに当てはまるような感じ。
このあたりは作品の設定に客が見事に入り込んでしまうようになっており、この劇団の頭の良さを強く感じる。
5人の争いの掛け合いで笑わせながら、裏で動くこの戦いの真実がモヤモヤしながらも少しずつ明確になって、話が進んでいく。時折入り込む、戦いの途中経過報告が臨場感を煽る。
単に観るのではなく、この訳の分からない姓統一合戦の応援団にされてしまったみたい。
最後の勝者は・・・
もちろん、誰かが勝って万歳みたいな感じでは終わらない。ちょっとひねった社会風刺的な皮肉なメッセージも入り込んだようなラスト。
上述したように、今まで観た感じとは違うのだが、ほ~っ、なるほどねえと思わすようなラストは健在。
当日チラシに作・演出の方のコメントが。
いつも書いている芝居とは毛色の違う芝居を作ったので、お口に合うかどうか?とのこと。
一観劇客として正直に答えるなら、合わなかった。もちろん、作ったなら食べるけど、これまでに食べさせてもらった物の方がおいしかったから、今度はやっぱりそっち作ってよといった感じかな。
まあ、食べ物と同じで、個人の趣味の範囲での話になりますがね。
今回もやはり面白い作品であることには間違いはありません。
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コメント
SAISEIさん、こんにちは。
そとばこまちのイトウエリです。
遅ればせながら…公演のご来場、誠にありがとうございました!
8日はお席が満席でしたが、見づらくはありませんでしたか?
いつもながらご丁寧に書いてくださってありがとうございます。
励みになります!
本番が同時期で観にいけなかった他団体の公演も
ばっちり読ませていただきました。
助かります^^
そとばこまちは次は2月、
作演にOBの川下大洋さんをお招きして公演を行います。
また少し違ったそとばこまちをお届けできるかと思います!
もっと精進していきますので、
これからもそとばこまちを
どうぞよろしくお願いいたします☆
ご来場、ありがとうございました!!
投稿: イトウエリ | 2010年11月20日 (土) 10時29分
>イトウエリさん
いつもコメントありがとうございます。
満席でしたね。
そとばこまちさんはいつも一杯なので、受付開始時刻ぐらいに行って整理券をもらった後、下のローソンで一服というパターンにしています。
ずっとビル前に立たれていた本村公嗣さんややって来る役者さんを見て楽しんでいました(*^-^)
一風変わった役でしたね。客いじりもされていて、面白かったです。
口に合わなかったと書きながらも、十分満足した観劇でした。
2月も楽しみにしています。
川下大洋さんもそとばこまちご出身なんだ。
最近、福山俊朗さんのマジックラジオとかいうDVD見ましたが、皆さん、味のある変わった役者さんになってしまうんですね。
イトウエリさんも変わりつつあるんですかね(^-^;
また舞台で拝見できるのを楽しみにしています。
投稿: SAISEI | 2010年11月21日 (日) 17時57分