コメディエンヌ★No.1【ほどよし合衆国】100925
2010年09月25日 芸術創造館
3回目公演。初演から好きでずっと観ている劇団。
前作「さかな」なんてかなり良かった。
(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/100411-13a3.html)
さて、今回は。
はっきり書いてしまうと、単なるドタバタコメディーでこの劇団らしい優しい雰囲気が感じ取れなかった。
笑い優先の結果なんですかね。
最後に少し書きますが、後ろの若い女性3人組の観劇の仕方があまりにもひどくそちらも影響していると思いますが。
舞台はまさに今、芝居をしている舞台裏。
そこには様々な役者さん、脚本家、演出家。なぜか精神科医もいます。
脚本家がイライラしています。演出家が連れてきた劇場支配人の娘が舞台をかき乱しているからです。
悲劇を描いた作品が彼女の手によって、単なるコメディーに変えられてしまっているのです。
無意味に登場人物が殺されたり、大事なシーンに客を舞台に上げたり、やることは支離滅裂で、役者達も何とかしろと大騒ぎ。
当の本人は舞台・舞台裏・客席と逃げ回り、なかなか捕まえることができません。
舞台がかき乱されているうちに、だんだんと真相が明らかになります。
彼女はただ作品をつぶしているわけではないようです。
彼女は30年後の自分。この劇場は明日、地震でつぶれます。
この事実はどうしようもないけれど、その後、この劇団に入り、楽しく過ごしたことから、この作品を悲劇にはしたくない気持ちからしていることのようです。
客席にはコメディー好きの有名プロデューサーも控えているみたいです。
ちなみに精神科医は彼女がおかしくなったと治療をしにやってきています。
それにしても、ちょっとやりすぎ。話の流れはもはや収拾がつかなくなってラストを迎えます。
ラストシーンに出ていき、想いを伝える彼女。
会場は・・・。
結局、公演は脚本家の意に反して大盛況。複雑な気持ちでカーテンコールを迎えます。
スレ違いなどをうまく利用した典型的なシチュエーションコメディー作品。
面白いかと言われれば、間違いなく面白いがそれだけならば普通の劇団でも十分楽しめる。
この劇団には、その中でも何か温かいものを感じ取れるところが大好きだったのだが、今回はそれが不満だった。
あと、よくは分かりませんが、多分タレント事務所が絡んでいる劇団なんでしょうか。この手の劇団の場合、客席に役者さんの知り合いが多く、それも友達の文化祭でも観に来たような感じでいらっしゃるので、観劇中の話声が非常に気になります。
私の座った席の後ろの3人の若い女性グループは終始、演技につっこみを入れる。
変な動きをすれば、何だそれはとつっこみ、変なことを言えば、そんなこと言うかとつっこんだりする。
ある意味、大阪らしく、最高に楽しく観ていると言えばその通りですが、ここは不特定多数の人が客として来る劇場。ある程度の観劇代も支払って観に来ているのです。自分の家でテレビで観ているんじゃないんだから、少し考えて欲しい。
こういう客層を見ていると、この劇団の限界も感じます。知り合いの知り合いが楽しく観劇するレベルの公演しかできないんじゃないでしょうか。
大きく育つ劇団は、私のように全く知らない客もが観に行きたいと感じさせられるような公演をされますから。
まあ、嫌なら観に行かなければいいだけの話なんですが、それにしては少し惜しい劇団で。やはり次回作に期待もしてしまいますね。
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コメント
少し違う色を出したかったのでしょうかねぇ 感想見てるだけですが話しの持って行き方が強引のような
投稿: まこと | 2010年10月 1日 (金) 16時43分
>まことさん
そうだとすると、ちょっと求めている方向と違うなあ。
話がスムーズに進んでいない感じは確かにありました。
投稿: SAISEI | 2010年10月 5日 (火) 11時43分