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2010年9月16日 (木)

月刊彗星マジック【彗星マジック×コトリ会議】100914

2010年09月14日 インディペンデントシアター1st

5回目。一応、皆勤です。

今回の相棒はコトリ会議さん。初見だと思っていましたが、昨年の7月に「右端の、写らなかった人」という作品を拝見していました。
覚えが全然無く、その後、3回公演されているみたいですがどうもスルーしていたようです。

今回拝見して、スルーしていたことがもったいなくて仕方がありません。
ここは独特の面白さがあります。

作品名は「夕刊コトリ会議会議」。

田舎の新聞記者達が集まって会議をしています。
時はお昼。5人の記者達は夕刊の記事をしっかり書いておらず、困っています。
といって、田舎ではそうそうネタがあるわけではありません。
そんな中、ある女性記者がくしゃみをします。そして、ある男性記者が手を叩く。
その男性記者が言うには、ここで連鎖を断ち切る。くしゃみをするとブラジルで蝶が飛ぶというのが理由なようです。
この訳の分からないことから、本当にそうなるのかをみんなで妄想し、記事にするというシュールな展開が始まります。

くしゃみをする女性。ハンカチを落とす。老婆がそれを拾って女性に渡す。女性は汚いと言って老婆をさげすむ。それをブラジル人が写真におさめる。家族に見せるためにブラジルへ向かって飛行機に乗る。悪夢にうなされているところを隣の乗客に介抱される。ロシアのシベリアに墜落。ブラジル人死亡。隣の客が引き継ぐ。捕まって強制収容所へ。・・・

コトリ会議の個性的な役者さん3人に、上田日呂さん(月曜劇団)、勝山修平さん(彗星マジック)が加わり、妄想が思いもよらない方向へ膨らんでいきます。
そのやり取りが絶妙で笑いをうまく誘います。
こんな作品、魅力的な役者さんが演じないと、相当引いて見るだけになって面白くもなんともないということになりますから、役者さんの力は相当なものです。

とても楽しかった。
LINX'Sにも出演されるようなのでとても楽しみ。

彗星マジックは連作の定点風景の第4夜。

コトリ会議とはガラリと変わって深く考えさせられる問題作。
出演されている西出奈々さんの一人芝居とかもそうでしたが、ここは悲しい世界を独特のファンタジーで表現し、問題提起をしてくるような難しい作品に仕上げてきますので、観る方も苦労します。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/independent10-3.html

今回の話では、大きな森をへだてて北と南で戦争をしている世界で、ついに森にまで戦火が迫ります。
森の中で暮らす森の人と人間の悲しい確執が描かれます。

あらすじはうまく書けないので省略しますが、個人同士で付き合っている時は分かりあえた友達でも、組織同士になれば激しく敵対して分かりあえないことになったり、異文化を理解し合う時に正解は無いのだろうけど、どちらかが否定されることになったりなど、日常、矛盾を感じるようなことが話の中にうまく盛り込まれており、かなり真剣に考えながら見てしまいました。
想像を大きくし過ぎかもしれませんが、人間が僕たちは地球人とみんなが言い合える日が来ることへの絶望に近い感情が沸いてくるようです。

この劇団はもちろんお気に入りだからこそ、毎月観に行っているのですが、改めて好きになりました。

来月はbaghdad cafeを相棒に迎えて、この定点風景を1時間作品でするようです。
baghdad cafeも大好きな劇団の一つ。私のとっては最高のコラボになるわけです。
どんな作品になるのか楽しみな反面、どちらも難しい作品に仕上げてくる劇団なので、どこまで理解できるかが不安です。

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コメント

コトリ会議は確かに実力派俳優さんじゃないと観劇している側がダレちゃいそうですね

投稿: まこと | 2010年9月19日 (日) 18時17分

>まことさん
まだ動きがあったから良かったけど、本当の会話劇だとダレ始めてしまうともうそこでおしまいですね。
まあ、それにしても奇妙な劇団でした。

投稿: SAISEI | 2010年9月21日 (火) 13時31分

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