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2010年7月 2日 (金)

幼虫主人の庭【突劇金魚】100630

2010年06月30日 シアトリカル應典院

久しぶりに傑作に出会えたと書けます。
不思議な物語でしたが、うまく話が出来あがっているし、その独特の不思議感を役者さんが見事にかもしだしている。

LINX'S01公演で短編を拝見していますが、本公演は初めて。あの時、感じたほわ~っとした不思議感覚と役者さんの癒し系っぷりがそのまま強く感じられるような公演でした。

ちょっと倦怠期を迎えているのか、相手のちょっとした行動や想いにイライラしてしまうような夫婦。
そこに旦那のお兄さん。人見知りが激しく、飼い犬としか心を通じ合わせられないような人。
奥さんの兄と5人の妹達。いつも優しくほがらかなお兄さんに、ガヤガヤうるさい妹達。
夫婦の庭付きの新居にみんなが住み始めるところから色々な事件が起こります。

互いの兄弟姉妹もが対立することにより、夫婦はよりいっそうスレ違いを深めていきます。

庭には謎の幼虫主人。よく分からない不思議な生き物。成虫になるのを嫌って物を食べない、家が建つ前の昔から住んでいるので自分を主人と位置付けています。

この幼虫、昔、奥さんのお母さんと一緒に暮らしたことがあります。楽しい時間もつかの間、人間の男のもとへ行き、お別れになってしまいますが、その時の子供が妹達の中にいます。

その時の子供は言うならば虫と人間のあいの子。やがてサナギになったりします。

自分の子供だと分かった幼虫主人はその子と暮らすために、成虫になる決心をします。

話はこんな感じで進みます。恐らく意味が分からないでしょう。こんな不思議作品を文章で説明できるほどの能力は残念ながらありませんね。
まだ公演は日曜日までありますので、是非、足を運んでいただきたい。

結局はこういう話の流れの中で、夫婦や家族というものの絆を考えさせているようです。
異なる価値観を持つ者同士が夫婦、その兄弟や親戚も含めれば家族を形成する。
所詮は他人。そこに起きるいさかいの中で、互いに成長し合って生み出される大切な絆みたいなものを描いているということでしょうか。

テーマはよくありそうですが、こんな設定でそれを表現するというところに驚愕しました。
虫の変態現象を人間の成長に見立てているんですかね。

シュール過ぎて良く分からなくなりそうですが、そのあたりは役者さんも優れているのでしょう。変な話と思いながらもスムーズに頭に入ってきます。

役者さんは5人の騒がしくかわいらしい妹達を演じる女優さん、不思議な幼虫主人の雰囲気を姿と言葉だけで見事に表現する片岡百萬両さん(ミジンコターボ)はもちろんですが、一番目を引いたのは、上田展嘉さん。
LINX'Sの時も思いましたが、こんなに癒しオーラを出しまくる男優さんも珍しい。何の嫌味も無く、優しい雰囲気が充満しているような方です。今回は騒がしい妹達に好かれる優しいお兄さん役だったので、ぴったりはまっていました。

この劇団は何とも言えない優しく不思議な雰囲気の中で、きちんとしたメッセージを伝えるようなしっかりした作品なのがすごく特徴的だと思います。
作・演出のサリngROCKさんを拝見すると、あ~なるほどなと納得すると思います。

次回公演が来年2月と先なのでDVDを1本だけ購入しておきました。
何でか知りませんが、2000円、昔のDVDは1500円とやたら安いので、もっと買いたかったのですが、あまりまとめ買いすると、引かれることが多いので少し自重しておきました。

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コメント

確かに文章では説明しにくい内容みたいですね


とらえ方は人それぞれでしょうが人もどこかに飛び込んで行くには成長しないといけない また周りも受け入れてあげないと ザクッとですがこんな感じでしょうか

投稿: まこと | 2010年7月 3日 (土) 12時43分

>まことさん
うん。そんな感じだと私も思います。
価値観や考え方が違うのは当たり前で、それを分かり合うためには、お互いの成長が必要といった感じでしょう。
普通の言葉ですが、表現の仕方が面白いでしょ。
けっこうお気に入りの作品です。

投稿: SAISEI | 2010年7月 4日 (日) 00時30分

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