タイフーンパニック【JUIMARC】100603
2010年06月03日 フジワラビル 4Fホール
文明開化時代のような雰囲気を残すビルの4Fが舞台でした。
入っていいのか分からなかったので入りませんでしたが、ギャラリーとかもあるようなアーティスト達の集まるところみたいです。
狭い階段を上がるとちょっとした空間にイスが2つ。その両側に客用の小さなイスがずらっと。
独特の雰囲気の中、開演を待ちます。
役者さん2人の会話劇と聞いていたので、そのイスに2人が座ってその掛け合いを楽しむ作品だと思っていましたが、全然違う。
その4Fホール、もっと言うとビル全体が舞台として使われます。
役者さんがそこを自由に動きますので、感じとしては自分は見えない状態で2人の普通の生活を盗み見しているような状態です。
話としては、おじさんと女子高校生の奇妙な共同生活。義理の兄妹の関係になるのかな。
お互い干渉しあわないというルールの下で生活が始まりますが、やがてそれが崩れてきます。
どこか淡々として世の中から外れて生きているような男と自由奔放だけど男と同じように世の中を引いた目で見ているような女子高校生。
2人の心の奥底にある寂しさが最後共鳴するような感じでした。
と書きましたが、作・演出の伝えたいところとはいつものごとくかけ離れてしまっている可能性は大きいような気がします。
まあ、自分なりに楽しめたからいいです。
この公演は、話うんぬんよりも、あの狭い空間で役者さんが世界を創り出すという演劇ならではの技を楽しむといいように思います。単純にすごいなと感動します。
役者さんは田川徳子さん(劇団赤鬼)、北村守さん(スクエア)。
どちらも、これまでに幾つかの公演で拝見しています。
北村さんはイメージにぴったり。元々スクエアという劇団が自分達の独特な雰囲気に客を引きずり込むことを得意としているような印象をもっているので、当たり前かもしれません。どこかおどおどしているような感じは終演後も同じような感じで、それがとても紳士的な魅力を感じました。
田川さんは、イメージの問題かやっぱりギャップは感じます。普段拝見する姿はもっとはじけておかしなことをする方だという印象ですので。
この方、知り合いでもないので、普段がどうなのかは知りませんが、多分、ものすごく熱い人だと思います。芯があって、何でも吸収しようとして一生懸命頑張るような。内から出てくるそんなオーラは、どこか寂しげな女子高生役を邪魔するとも言えますし、奥に秘めた強さを感じさせることができるとも言えるような気がします。
どちらにせよ、私は頑張っている人を見るのが大好き。この方の目はとても素敵でした。
話の意図するところがいまひとつ分からなかったので、アフタートークにも参加。
あと、大塚雅史さんのお姿を拝見してみたかったので。この作品の演出です。
TAKE IT EASYの「ふれんず」、ほどよし合衆国の「ぼくの先生」などで何ていい作品を作られるんだと思っており、どんな人か見てみたかったんです。
ちょっとイメージが違う・・・。もっとスマートな感じの人だと思っていた。かなり迫力ある監督って感じの方でした。あの方が、あんなふんわり優しい作品を作るんだ。不思議です。
15分ほどのトークでしたが、結局、話の意図するところははっきりせず。でも、上に書いたような感じ方はまんざらおかしくはなさそう。自分の中では合格点の見方を出来たとしています。
作家の柳沼昭徳さん(烏丸ストロークロック)は、劇団立ち上げのころを振り返ったりされていましたが、とてもトークが上手。劇団の公演も観に行ってみようかという気になりました。
90分の不思議な体験といった感じ。私が観たのは4Fホールでしたが、別日程では地下室でやる公演もあるみたいです。また、違う雰囲気を味わえるかもしれません。私は、残念ながら行けませんが。
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