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2010年6月10日 (木)

月刊彗星マジック【彗星マジック×シバイシマイ】100608

2010年06月08日 インディペンデントシアター 1st

先月に引き続き、観劇。

今回のパートナーはシバイシマイ。劇団としては初見。仁科真実さんだけ客演で拝見しています。

そして、彗星マジックは連作短編の2話。

シバイシマイは宮沢賢治のイーハトーブをテーマにしたちょっと悲しいお話。前回のパートナーのブルペンズもそうでしたが、オチが途中で分かってしまう。やはり30分という時間の問題なのでしょうか。やられたなあという爽快な後味が得られません。

彗星マジックは前回がこの劇団の色である抽象的な雰囲気を漂わすファンタジーだったので、案の定、理解が難しく、今回は構えて観たのに、とんでもないおバカな話だった。でも、こういった方が個人的には好き。

まずはシバイシマイ。男と2人の女(役名、シキ、ミチル)。山登りの最中に地震に合います。
2人の女は地滑りでどこかの駅へ。男もどこかに落ちてさまよっています。何か使命感を持って必死に女を探している模様。

男とミチルは付き合っており、海外に留学することになっています。このことをミチルはシキに話していませんでした。ミチルはそれを知ったシキがわざとこのような状況を作って、自分を殺そうとしたのではと疑い始めます。錯乱状態のミチルに、シキは男がミチルを殺そうとしていると言い、ミチルはそれを信じて恐怖に怯えます。

男が2人を見つけ出します。怯えるミチルを守ってシキは男を逆に殺そうとします。瀕死の状態で男は、ミチルに携帯を渡します。そこに写っていた写真は、無残な姿のシキ。地震で・・・。

シキは自分だけだと不安だから、ミチルと一緒に理想郷イーハトーブに行こうと言います。でも、まだ生きていたいというミチルの姿を見て、今度は男にとどめをさそうとします。必死に止めるミチル。自分にとって、2人は大切な友人で、シキに一緒に海外に行こうと言わなかったのは、待っている人が欲しかったからだと伝えます。
誰を憎んでいたわけでなく、純粋に大事な友人ミチルのことを思っていたシキはあきらめて、向こうで待っているねという言葉を残して立ち去ります。
駅にはイーハトーブへ行く列車が到着します。

こんな感じの悲しくも優しいお話。筋としては全然嫌いじゃないのですが、すぐに気付いちゃうんですよね。シキは亡霊だと。ここでさらなるどんでん返しがあれば良かったんですが。

女優さんお2人、片彩眞璃さん、仁科真実さんはさすがでした。淡々と冷静さを維持しながら悲しみを表現するシキと友人を思う優しい気持ちを悲しみで表現するミチルを熱演されていました。男は小永井コーキさん(彗星マジック)。この方、体も大きいですが、演技も大きいですね。動きもそうですが、役への気持ちとかも大きい。すごくいいと思う反面、少し引いて見てしまう感もあります。

5分の休憩後、彗星マジック。

基本設定は前回と同じ。純粋な灯台守の少女が住む、大きな森の話。

仲良く暮らしていた父と娘が戦争で別れ別れになります。父は気持ちの入りすぎる人で、戦争で味方を殺してしまいます。刑務所に入ること10年。
出所した父は娘の下へ。待ち合わせ場所に着くと、娘がチンピラにからまれています。また、ケンカをしてしまうと刑務所に戻ることになるし、不幸なことにそのチンピラ、自分が殺した人の息子。仕方が無く、父はウマの覆面をして、チンピラをやっつけます。
そうとは知らない娘は、父を一緒に探して欲しいと言い出します。苦し紛れに父は森の方へ行ったとか、自分の馬の覆面は森の悪い人による呪いだとか言っていると、とうとう一緒に森へいくはめになってしまいました。
あとは、その森で灯台守の少女を悪い人と勘違いしたり、森で畑をいじる女性や後をつけてきたチンピラたちを巻き込みドタバタが起こるという話です。

作品名が「ウマオの災難」。名前のとおり、全てが悪い方向へと進んでしまうというお話。

面白く分かり易かったですが、前回とのあまりもの違いに驚きを隠せません。あの幻想的なファンタジーの世界観はどこに行ったのやら。
次回作品名は「星のラケータ」。何となく前回の方向性に戻りそうですね。
まあ、色々な形を楽しめてけっこうなことです。まだ、ずっと1年続くわけですから、じっくり楽しませていただきます。

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