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2010年5月 2日 (日)

<DVD>10人写楽【劇創ト社】

1月に観劇した同作品。
「伝説の舞台」と呼ばれるほどの公演だったようですが、私はちょっと低い評価。
話の内容がいま一つ理解できず、その割には関西演劇界を代表するすごい個性あふれる役者さんがそろっており、何だったのかよく分からんというのが感想でした。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/10-de-100130-f8.html

でも、この作品、10年前の初演から5年前、今年と再演が繰り返されるほどの作品。5年前の作品はDVD化されており、私のお気に入りの役者さん、湯浅崇さん(テノヒラサイズ)がかっこいいどころを演じているというある方の情報から、観てみることにしました。

届いたDVDのキャストを見て、拝見したことがある役者さんは3人だけ。湯浅崇さん(未来探偵社)、福山しゅんろうさん(劇団そとばこまち)、年清由香さん(劇団☆世界一団)。
あとは、名前を聞いたことがあるような気がする方が何人かという状況。
新鮮な気持ちで鑑賞できます。

鑑賞した感想は、こちらの方がとても見やすい。2度目ということもあるのでしょうが、ストーリーが入ってきやすかったです。恐らく、劇場観劇した時は、役者さんの影響力が作品と合っていないと感じたんじゃないですかね。個性が強すぎるというか。別にDVDの方に出演されている役者さんが個性が無いというわけではないんですが、演出なのかきちんと制御されているような印象を受けました。

この鑑賞で話の内容がようやく理解できました。現代と江戸の世界がシンクロしきれていないように感じるのは前回の感想とやはり同じですが、前回ブログで点数付けた30点はちょっとひどすぎたな。これは私の観劇の仕方の点数だったということにしておきます。

DVDの方が良かったと感じた理由は上記したように、役者さんの影響力が絡んでいると思っていますが、比較して感じたことを役者さんへの視点で何人か具体的に書きます。

江戸での蔦屋重三郎。DVDでは和田哲也さん。初見ですが、落ち着いたボス的雰囲気がよく合っていました。劇場では山浦徹さん。観劇1年生の私でもよく知る有名な役者さんです。そのため、どうも他の役のイメージが付いていて、人の上に立ってまとめる印象を持っておらず、違和感を感じました。

喜多川歌麿。この作品のメインキャストです。DVDでは湯浅崇さん。劇場では田所草子さん。見た目のかっこよさでは、間違いなく田所さん。今から思えばセクシー衣装でもっとしっかり見ておけば良かった。それで、違う意味で確かにかっこよかったのが湯浅さん。外観はオカマだったので、どこがかっこいいどころなのかなと思って見ていましたが、なるほどと理解しました。この役は、自分を認めてもらうために、仲間を裏切る人を演じます。決して仲間を嫌っているわけではなく、そこには何か大きなプライドみたいなものがあります。そして、気づくと孤独になってしまっている苦悩を持つような感じです。この雰囲気が見事に表現されています。もちろん田所さんもされていたのでしょうが、こういう考えは男が持ちがち。湯浅さんの方が心に響きました。と言っておいて、もう一度劇場での作品を見たら、考えが変わるかもしれませんがね。最後に全てがばれて追及される時にする怒りや悲しみや不安からの解消などが入り混じった微妙な表情は頭に残ります。
ただ、湯浅さんは劇場では江戸では山東京伝、現代ではヒガシという役を演じられています。どちらもちょっと頼りない人です。すぐあせっちゃってオドオドしてしまうような感じ。これが、すごく似合うんです。それに、私にはこういう印象の方が強い役者さん。最近の舞台ではほとんどこちらの雰囲気で演じられているんではないでしょうか。そのため、DVDの方はどうしても若干違和感を持ってしまいます。

大田南畝。DVDでは福山しゅんろうさん。劇場では末満健一さん。これは、DVDの方が良かった。多分、末満健一さん作品から観劇を始めているので、この方に対する印象が強すぎるんだと思います。どちらかといえば影の存在なのに、思いっきり表に出てきているように見えたんでしょう。ただ、劇場で福山さんは恋川春町やマスターを演じられていたのですが、すごく雰囲気あってかっこいいなあと思ったのを覚えています。

おしの。飄々として天然で抜けたキャラクター。劇場では前渕さなえさんでもうぴったりで笑わせていただきましたが、DVDの梅崎尚子さんも初見ですが、なかなかでした。

倉蔵。DVDでは年清由香さん。劇場では濱本直樹さん。大変失礼ながら、濱本さんは覚えが・・・。なので、比較できないのに書いたのは、年清さんがけっこうタイプだから。もう劇場ではなかなか拝見できないみたいなので、DVDでも見れて良かった。色んなところに顔出してるんですね。

同じ作品でも年月が経って、役者さんが代われば随分違うものです。と締めくくりたいところでしたが、本当にそうなのかが、劇場の方をしっかり覚えていないのではっきり言えません。
それに、最後のDVDエンドロールで気づいたんですが、何で役者さん12人いるんだろう?10人写楽と講談師で11人のはずなのに。劇場では確かに11人。1人多いんですね。
もう一度見直して、多い1人は分かったのですが、すごい大事な役割。この役が劇場ではいなかった?それはありえないんでは。話が変わってしまうぐらいの役だけどなあ。

と、このようにしっかり観劇できてないんですね。だから、劇場で観た作品もDVD化されるのを待つしかありません。TAKE-NOBLE演劇ビデオ館のホームページでは近日販売開始って書いてあったけど、ここの近日は数か月ぐらい平気だもんな。

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コメント

ども、諸般の事情で、観劇自粛中です。
DVDをご覧になりましたか。
私は、本作品、DVDでも「いまいち」感はぬぐえません。
最近は、お金払って観るものは、「楽しみたい」と思い、
観るからだろうと思っています。

きっと余裕がないのでしょう。
余裕は「遊び心」を育てます。そんな「遊び(余裕)」があればこそ、
江戸時代の町人文化は育ち、小唄を習ったりするわけです。
そして、そういう風に習う(学習する)と、
より深く戯作や作品世界が理解できる。

そのうち、作品はもちろんですが、あの津太夫の声が良いとか、
やっぱり近松は良いとか、作品を超えた楽しみ方につながります。
良い悪いではないのです。

舞台は生き物です。同じ内容、同じような進行なのに、
ある回はバカ受けだと思うと、ある回ではシラケてる。
結局、作家、演者、観客と、三者が出会った瞬間にこそ、ライブ
ならではの感動があり、その一期一会を楽しむものなのでしょう。

投稿: ぶらしん | 2010年5月 2日 (日) 09時50分

>ぶらしんさん
コメントありがとうございます。
何か舞台芸術の講義みたいですね。
先生をされていたとかブログで拝見したことがありますが、やっぱり話が分かりやすいです。
舞台は生き物ということは最近、私も分かるようになってきました。映画は何回見てもいい物はいいですが、舞台は必ずしもそうではないことが多いような気がします。みんなの波長が合った公演を観劇した時は、とても深い感動を得られます。それを求めて、毎週ついつい観劇に出かけてしまう日々を過ごしています。

投稿: SAISEI | 2010年5月 2日 (日) 21時22分

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