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2010年5月17日 (月)

ドロテアノヒツギ【ムーンビームマシン】100515

2010年05月15日 芸術創造館

LINX'S 01公演で初観劇。以前から気にはなっており、実際に見てなかなか良かったので、今回本公演を観劇です。

公演前にマジックショー。芝居仕立てで楽しいのですが、もっとすごいのを勝手に期待していました。まあ、舞台セットのこととかもありますから、簡単にしかできないのでしょう。

作品の方は、最初からかなり圧倒されました。オープニングのキャスト紹介は舞台なのに映画みたい。音楽や照明の効果もすごく、完全に引き込まれてからの観劇開始となりました。
舞台がとても綺麗。多分、照明に魅惑されているのだと思いますが、そう感じたのは劇団スターパイレーツの七人の古人という作品以来かな。幻想的でいい感じでした。

この日、昼に観劇した作品も背景に童話がありましたが、偶然にもこの作品も同様の設定。

グリム童話の世界です。

ある日、森に迷い込んだヘンゼルとグレーテルは、ドロテアという魔女と手下の悪魔に出会います。何とか逃げ出し、近くの町の人達に報告します。
どうやら、ドロテアが100年の眠りから覚め、またこのグリム童話の世界を壊そうとしているようです。
これを防ぐにはフェアリーテラーという男を探し出し、封印しなくてはいけません。

ヘンゼルとグレーテルは、ドロテアを倒し、有名になって、親に迎えに来てもらおうと考えます。
まず、フェアリーテラーを探し始めますが、すぐにそう名乗る男が見つかりました。何やら頼りなく怪しげな男です。
その男曰く、紬の針を手に入れないといけないようです。針は北の塔の最上階にあるとのことです。

この世界には様々な童話のキャラクターが存在しています。ドロテアはあらゆる手段を用いて、この者達の話を壊し始めます。
赤ずきんを寄り道をしなくさせて、狼と出会わなくします。
妃を城に閉じ込めて虐殺するヘンリー公は優しい性格に変えてしまいます。
白雪姫の継母である妃は、娘を溺愛するように仕向けて、白雪姫を引きこもりにさせます。その結果、外出しないので小人とも出会えません。
ガラスの靴を持って姫を探す王子の靴をすり替えて、シンデレラが見つからないようにします。
シンデレラは日々不幸な生活をしています。王子の迎えが来ないシンデレラのところに悪魔がやってきます。そして、何かを話しているようです。

一方、ヘンゼルとグレーテルはフェアリーテラーとともに北の塔に向かいます。
途中、ドロテアの手によって操られたヘンリー公などに攻撃を受けながらも進んでいきます。どうやらドロテアは謎の黄色いキャンディーをキャラクター達に食べさせて洗脳しているようです。
悪魔とも出会います。この悪魔、名前を言い当てられると願いを叶えないといけないことになっているらしく、それでドロテアの手下をやっているようです。本当はそれが嫌なので、二人には名前を何とか言い当てて自由にして欲しいという胸中を語ります。
そこにシンデレラがやってきます。悪魔は、このシンデレラには気をつけろと言い残して去ります。
シンデレラは町で優しくしてくれるので二人はとても信頼しています。
一緒に北へ向かいますが、その北の町でどこかに消えてしまいます。
残された二人とフェアリテラーは北の塔へ。その最上階には、紬の針が。これでドロテアを倒せると思ったところに操られたキャラクター達が。
そして、シンデレラもドロテア側にいます。
不幸な生い立ちのシンデレラは王子が迎えに来るという最後の望みも無くなったことに嫌気がさし、ドロテア側についたのです。ドロテアが新しく作る童話ではいい身分にしてもらえるという契約を結んだのです。

ヘンゼルとグレーテルはシンデレラを一番信頼しています。それを裏切ったことで後戻りできないと言うシンデレラにフェアリテラーは一度の失敗などどうでもいいこと、物語は自分の手で作るということを話して説得。
気持ちを変えたシンデレラは悪魔の名前をヘンゼルとグレーテルに教えます。
悪魔は自由の身になり、お礼にドロテアの洗脳をすべて解除します。

味方のいなくなったドロテア、全員の協力の下、封印されます。

あとは、エピローグ。それぞれのキャラクターがハッピーエンドをにおわすそれぞれの物語へと戻っていきます。

いつにもまして、分かりにくいですね。そんなに難しい話では無かったのですが、書くとけっこう複雑になってしまうようです。話の流れで、書いていないキャラクターもまだいるくらいです。

まあ、悪いドロテアをグリム童話に出てくるみんなで倒したということですよ。

役者さんは、この話の役にすごくぴったりくるなあと思わせる方が多かったです。

劇団の方だけ少し感想を。

悪魔。和田雄太郎さん。動きや振舞いが本当に悪魔っぽい。飄々とした感じが印象に残ります。

ドロテア。Sarahさん。大魔女といった感じが出ています。恨みや怒りなど負の感情を内に秘めてる感が伝わってきて少し恐いです。

シンデレラ。中嶋久美子さん。人のいい優しいシンデレラがぴったり。清楚で綺麗な方でした。

赤ずきん。魅優さん。この方がマジシャンみたいです。LINX'Sの時も全くしゃべられなかったのですが、謎めかせているのですかね。ちょっと無表情の赤ずきんちゃんでしたが。

あと、劇団の方では無いですが、フェアリーテラー。梅田喬さん。多分劇団天悟だったかの客演で拝見していると思います。ちょっと間の抜けた感じで演じられますが、存在感がすごくあります。決めるところは決める見たいな感じでとてもかっこいいです。

ヘンゼルとグレーテル。劇団ショウダウンの寺本奈央さんと内海麻有さん。お気に入りの劇団ということでひいき目がありますが、今回一番ぴったりだったと思います。
少年・少女役は多分このお二方にとっては十八番でしょうから。
作品の中心にいつもいる役どころだったので、ご活躍を嬉しく思って見ていました。

また、良い劇団を知れました。ここは、次回は間違いなく観ると思います。もう次回公演の作品は決まっているようで、LINX'Sでされた20分の作品の拡大版みたいです。20分では話の奥深さが分かりにくかったので、楽しみです。

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コメント

この作品面白そうですね~★

グリム童話をこうゆう風にもじってるもの

ってたくさんありますけど、白雪姫もシンデレラも

オールキャストな感じで出てくるのが面白そう(*^m^)

投稿: mio | 2010年5月17日 (月) 13時23分

>mioさん
あ~、面白いのは伝わったか。
よかった、よかった。
オープニングで色々なキャラクター達が出てくるんですが、映画とかに負けないかっこ良さでした。
芸術創造館はすぐ近くだし、暇な時は演劇もいいよ。

投稿: SAISEI | 2010年5月17日 (月) 17時06分

メルヘンの世界もこうなると大人の男性でもハマリそうですね

SAISEIさんの説明だけなのに私の場合はゲームのRPGを思いながらコントローラーを触ってる感覚でした

投稿: まこと | 2010年5月17日 (月) 23時41分

>まことさん
ご無沙汰ですね。
日経新聞で会社がけっこう打撃受けてるんじゃないのかなと思わす記事が記載されていたので、メールしようかと思っていたんですがね。
演劇はRPG風の作品がかなりの頻度であります。
クリエーターとしての感覚は同じなのかも知れないです。
そろそろ店にも行きたいものですが・・・。

投稿: SAISEI | 2010年5月18日 (火) 00時17分

突然のコメント、失礼致します。
先日はご来場誠にありがとうございました!
ご感想拝見させて頂き、嬉しくて
思わずコメントさせて頂いた次第です。

次回作は一転し、とっても切ない恋物語ですが
ダンスシーン等も増え、今回のドロテアノヒツギとは
また違った趣向での幻想的な作品となります。

今後とも、良き作品をお届けできますよう
ムーンビームマシン一同、力を注いで参ります。
ぜひ、お楽しみにお待ち下さいませ。

本当に有り難う御座いました!

ムーンビームマシン・Sarah

投稿: Sarah | 2010年5月21日 (金) 01時23分

>Sarahさん
うわっ。大魔女ドロテアからコメントきた!!(゚ロ゚屮)屮
ここに戻ってこられないかもしれないので、御本人のブログの方にお礼コメントさせていただきます。

投稿: SAISEI | 2010年5月21日 (金) 10時03分

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