オトギの国のフローシア【劇団猫の森】100515
2010年05月15日 インディペンデントシアター 2nd
全く知らない劇団、しかも客演に知っている役者さんも全くいないという状況での観劇。
以前はこんなことがほとんどだったのに、さすがに1年も色々な劇団公演を観劇していると珍しいことになりました。
(以下、少しネタバレするかもしれませんのでご注意ください。公演は日曜日も2回行われます。)
今回、観に行った理由は、最近このブログに大変ご丁寧なコメントをくださった方が舞台監督をされていたから。
こういうことは役者さんとかでは数回あるのですが、役者さんの場合は、客席からそのお姿を拝見できるので、素晴らしい演技への褒め言葉をここで書かせていただくなんてことが出来るのですが、監督さんではねえ。
どこにいらっしゃるのかも分からないし、どこを見て良かったと感じればいいものかが分からず・・・。
ただ、舞台監督さんは色々な気遣いが仕事と書かれていましたので、そういう意味では、劇場にちょっと緊張しながら入って、受付を済ませて、芝居が始まるまで席やロビーで待って、芝居を見て、終わりの挨拶を聞いて、劇場を後にするという流れの中で、大変気持ちのいい公演でしたので、その心がスタッフの方々に伝わっているような気がしました。
こんなこと当たり前と思う方が多いかもしれませんが、観劇を毎週のようにしていると、この当たり前の流れで嫌な思いをする時がそれなりの頻度であります。芝居だけが面白くても、公演を観に行ったという点では満足できない時もあるのです。楽しませるよという気持ちの強さがどれだけ供給側にあるのかということだと私は思っています。もちろん、楽しむよという受け側の気持ちも無いと成立しないことですが。
さて、肝心の作品ですが、楽しいお話、役者さん達でしたが、ちょっといまひとつかなあといった感じです。ご年配の方が多い劇団みたいで、チラシにもオヤジネタが多いとか若い方には分からないことが多いようなことが記載されていましたが、確かにその通り。
私も若くは無いですが、さらにもう一世代上ぐらいかもしれません。
そのあたりが、ちょっとくどいというのですかね、途中少しテンポが緩くなり、飽きが出てきてしまいました。
記憶が欠けたところが幾つもあり、あやふやなあらすじです。だいたい、こんな話だったぐらいに思ってください。
若くして童話作家としての賞を受賞した少年。鏡の中に将来の自分の姿を見ます。それはホームレスとなり夢を失った男。色々なことを夢見て、自分の可能性を信じる少年にとっては相当ショックな出来事だったようです。
そのホームレス、ある日、お伽話集を拾います。そこには一風変わった童話が書かれています。
アリとキリギリス、桃太郎、オズの魔法使い。
アリとキリギリスが最後結婚して、アリはキリギリスの横暴な振舞いにも関わらず尽くすような結末だったり、桃太郎は鬼が見つからずおなかをすかせた一行がキジ、猿、犬と順番に食べて、最後は桃太郎自身が鬼となるような結末だったりする話です。
多分、最初のこの2話は前座みたいな感じ。
本編はオズの魔法使い。
ホームレスはドロシーと名乗る女性に出会います。執事のメアリーとともにオズを探しているようです。調子よく、ホームレスは一緒に探す仲間となります。ブリキやカカシなどが出てきたり、行く手を阻む男たちが出てきたりする中で、オズの居場所が分かります。教会にいるとのことです。
そんな中、女主人が現れます。その女曰く、ドロシーと名乗る女性の娘で自分こそがドロシー。どうやら、ドロシーと名乗る女性は実際は老婆なのですが、痴呆で若返り現象を起こしているみたいです。ブリキやカカシも実はホームヘルパー。連れ戻しにやってきているのです。
帰りたくないとだだをこねる老婆。
ホームレスは夢を追い続ける老婆に自分の昔を重ね合わせ、女主人を説得します。でも、老婆は若い頃は、生きていくために金に執着し、娘を愛してくれなかったという現実もあるようです。だから、女主人にとっては夢に逃げる虫のいい姿としても見えてしまう複雑な思いがあるみたい。
(さらにあやふやなのですが、何か教会が火事になります)
火事の中、老婆はオズと出会えたみたいです。オズの正体はメアリー。でも、ホームレスにしか見えていないみたい。満足したほほ笑みを残して、消えていく老婆。
ホームレスが相変わらずの生活をしているところに女主人が一冊の本を持ってやってきます。老婆の遺品です。その本は、先日、自分が見つけた本。そして、その作者は、ホームレス自身だったことが判明します。若いころ賞を受賞した時の作品です。
この童話が大好きだった老婆が自分で勝手に本にしていたようです。そして、生前言っていた言葉。この続きを作者には書いて欲しい。
昔を思い出したホームレスは、もう一度夢を追い始めることができそうです。めでたし、めでたし。
といった感じなのですが・・・。
確かに話はだいぶ飛躍しているところがあったのですが、ここに書いたほどでは無かったような気もします。あらすじ書きは難しいです。言い訳を少しすると、この後すぐに観劇した作品も童話が背景になっており、混乱してるんですよね。
だいたいオズの魔法使いを詳しく知らないというところで感情移入しにくいところがありました。
最初の2話が何だったのかも良く分かりませんし、ちょっとすっきりしないところが満足しきれなかったところですね。
まあ、とりあえずは劇団の色みたいなものが分かりましたので、また次回公演がある時には観に行く可能性が高くなると思います。
作品としてはいい評価していませんが、最後の挨拶とかが、楽しませたいという気持ちが強く伝わってきたから満足はしています。少なくとも、観劇しに行って良かったことは確かです。
| 固定リンク
「演劇」カテゴリの記事
- 【決定】2016年 観劇作品ベスト10 その3(2016.12.31)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その2(2016.12.30)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その1(2016.12.30)
- メビウス【劇団ショウダウン】161209(2016.12.09)
- イヤホンマン【ピンク地底人】161130(2016.12.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ひさびさの緊張だったんじゃないですかっ( ´艸`)プププ
ここ最近は『不思議の国のアリス』が
騒がれている中、『オズの魔法使い』とは
おついですね~★
童話ってホントはハッピーエンドじゃないものが多いんですよ。
けっこう怖い結末を迎えるものの方が多いんですよ(;;;´Д`)
投稿: mio | 2010年5月17日 (月) 13時10分
猫の森は20年以上続く老舗劇団で、旗揚げ当初からエンタメにこだわり、年齢を省みず未だにエンタメを続ける稀少な劇団となりました。
昭和テイストのエンタメですが、当時のエンタメの良い所も、今や古いと感じる手法も、故意的にそのままに残され、コテコテの親父ギャグと共に贈る1997年初演のリメイク版となりました。
2~3日中に「舞監@日誌」にて解説いたします。
また覗いてみて下さいませ。
投稿: CQツカモト | 2010年5月17日 (月) 13時23分
>mioさん
ここは受付さんはじめスタッフの方々がしっかりしていて温かい感じだったので安心して観劇できました。
本当は怖いとかエロいとかシリーズでしょ。
何冊か漫画持ってるよ。
でも、この劇団には似つかわしくないですな。
投稿: SAISEI | 2010年5月17日 (月) 16時52分
>CQツカモト様
舞台監督、お疲れさまでした。
年配でリーダーシップ取っている人がツカモト様だろうと、少しキョロキョロしていたのですが、分からなかったですね。
諸注意を述べた方は違いますよね。
いや、この後、ドロテアノヒツギも観に行ったのですが、諸注意を述べる方のストップウォッチが同じ物だったので。
共通点は舞台監督がどちらもCQになってるなとか思いまして。
昭和テイスト、古さなど、自分にとっては違和感はありましたが、楽しめました。
最近のエンタメという言葉からは少しズレるのでしょうが、源は同じなんだなということはおぼろげながらも感じます。
ブログ楽しみにしております。
ところで、用語説明をしていただいたコメントに載っていたmixiにたどりつかないのですが(検索でツカモトさんとかで引っかからない)。
よろしければホームページアドレスを教えていただければと。
よろしくお願いいたします。
投稿: SAISEI | 2010年5月17日 (月) 17時03分
舞台監督さんも閲覧されてるのですね
だからといってSAISEIさんが観劇感想を好評価ばかりする人ではないでしょう(^o^)
SAISEIさんが今まで観劇されてきた中ではテンポなどに違和感があったのかな?
でも演者 スタッフがしっかりしているようなので劇団の色を把握出来れば楽しく観れそうですね
人それぞれ好みは違いますがf^_^;
投稿: まこと | 2010年5月19日 (水) 07時44分
>まことさん
いい意味でも悪い意味でも古くさいのかな。
でも、私たちよりやや上世代ですね。
若いつもりでいているので、いまどきの雰囲気のほうが合っているような感じで観劇していますが、本当はこういった感じのほうが落ち着くかも(゚ー゚)
投稿: SAISEI | 2010年5月19日 (水) 14時27分