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2010年5月10日 (月)

勇気出して三杯目のおかわり【神選組】100508

2010年05月08日 芸術創造館

芸術創造館にハズレなし。昨年12月から続く記録はまた更新されました。

観劇予定は無かったのですが、仕事が急に無くなったので行くことが出来ました。ラッキーでした。
この劇団を知れて良かった。作風が非常に私の好きな雰囲気です。

女性3人の会話劇に近い感じです。

舞台は下宿先の食卓。家主とのれんの研究をするちょっと変わった学生と何をしているのか分からない社会人の女性二人がいます。時代は1990年の頃です。

家主はいつもご飯を作ってくれます。今日もいつもどおりの朝ごはん。家主は淡々と無表情でごはんを運んできます。ごはんを食べている二人の会話によると、家主も昔は明るく楽しい人だったとのこと。昔、若い男が下宿していた時に恋に落ちたが、男が事故で亡くなってからそうなったみたい。そして、男がごはんがおいしいと何回もおかわりをしてくれるのが大好きだったそうです。その時の思い出がよみがえるのか、3杯目のおかわりをすると卒倒するという伝説があるようです。
そんな噂話をしながらも二人とも出勤の時間。

学生が帰宅します。続いて家主も買い物から帰ってきます。食卓に置手紙。しばらく戻りませんが心配しないでとの社会人の手紙です。

3日経っても、帰ってこないので警察に連絡をする覚悟をします。そんな時、社会人が戻ってきます。表情は暗く、何かを思いつめています。そして、学生に3杯目のおかわりをするように言い出します。言われるがままにする学生。でも、そんなには食べられないので、ご飯を隠して、おかわりをします。3杯目のおかわりをした時、卒倒する家主。噂は本当だったようです。

そんな中、家主に手紙が届きます。差出人は男の名前。
その夜、学生が帰宅すると酒を飲んで荒れた家主の姿が。話を聞くと、手紙の差出人は昔の男。つまり、この下宿で恋に落ちた男です。事故でなど死んでいませんでした。家主の従妹と良い仲になり結婚したそうです。そして、子供も生まれ落ち着いたのであらためて結婚式をするとの連絡です。
おかしなことが続くと嘆く家主。住人が姿をくらます、おかわりをする、手紙が届く。

何かおかしいと感じる学生は社会人を問い詰めます。
そこで社会人から語られたことは衝撃的なことでした。
姿をくらました3日間、自分は3日後に行っていたと。そして、そこでガス漏れ事故が起こり、下宿がガスで充満する。家主は逃げられるのに逃げなかった。そして手紙を持ったまま死ぬと。
学生は花博に行って留守にするようです。
手紙は家主は焼き捨てたと言っていましたが、探したら密かにしまわれていました。条件がそろっています。このままでは、家主は明日死にます。
さらに、自分は2010年からやってきた。なぜか分からないが、時間を移動してしまい、元の時間には戻れないことを話します。証拠は花博。明日から開催される花博に自分は行ったことがあることを証明します。
家主を死なせたくない。
そのためにはガス漏れ事故を防いでも無駄。きっと、根本的に何かを変えないと、違う形でまた家主は自殺をすることになる。
その運命を変えるためにおかわりを3杯して、過去を断ち切らせてあげたいという願いです。

夕食。学生は3杯目のおかわりに挑戦するつもりです。でも、黙ってするのではなく、家主にそのことをありのまま伝えました。それは家主も救いたいが、社会人も救ってあげたい。つまり、元の時間にもどしてあげたいとの願いです。
真剣にごはんを食べて3杯目のおかわり。家主は卒倒しません。過去を断ち切ったのでしょう。そして、明日、みんなで花博に行くことにします。社会人の過去の自分に会うことによって何かが変わると考えたのです。

花博。みんな楽しんで帰宅です。ガス漏れ事故は起こりましたが、重大な事件は引き起こしませんでした。花博では社会人は過去の自分に会います。そこには両親、亡くなった兄と楽しく笑う自分の姿が。2010年はつらい時代。きっと楽しかった1990年に戻りたい希望がよく分からないタイムスリップを引き起こしているに違いないと考えます。今、そのつらい2010年にいる自分を受け止めることが出来たのできっと戻れることになりそうです。

1つつらい事実も分かりました。社会人は知っていたみたいですが。学生は病気でそれほど長く生きられないことを。学生も覚悟はあったようです。2010年に自分はいない。だから、元に戻った社会人とはもう会うことが出来ないことも理解しています。でも、それを受け止めて今の自分をしっかり生きることを宣言します。

3人で花博のことを楽しく語り合う食卓。小腹がすきました。家主が軽いご飯を用意しに席を外します。社会人も部屋から何かを取ってくると言って席をはずします。

家主がごはんを持ってきました。お箸が3つ。1つ多いと笑いあう二人。でも何か変。ごはんがおいしいです。家主がおかわりをします。あの家主がおかわりをしたと喜び、社会人の名前を呼ぶ学生。何でそんな名前が出てきたのか分かりません。でも、何か懐かしく、これから頑張ろうと決心する気持ちに溢れているようです。

長くなりましたが、あらすじ。今回はだいたいフォローできているのではないでしょうか。

無理な設定ではありますが、こういう感じの話が好きなんです。見終わった後、優しく温かい気持ちにしてくれた作品には絶対高評価をしてしまいますね。

役者さんは3人ともごく普通の感じなんですが、食卓というワンシチュエーションでの会話だけで話を盛り上げるですからすごいものです。実力派の役者の技術を見せてもらった感じです。私がけっこう上のようにあらすじを書けているのが何よりの証拠です。

どうもこの劇団は、過去の3公演もこのような感じで作品を作っているようなので、次回公演も楽しみにしています。ということで、最初のこの劇団を知れて良かったということにつながるわけです。

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コメント

初iPhoneからのカキコ!

ひとつのテーブルでってゆうのがすごいですね♪

本当に演技力がないと、表現がぶれそう!

投稿: Mio | 2010年5月10日 (月) 20時25分

>Mioさん
iPhone、はまってるね。
俺も変えようかな。何か電源が入りにくくなったりして、また故障の前兆が出てるよ。

ここは役者さんが実力派ですね。しっかり芝居だけで魅せますといった感じで。
次回が楽しみな劇団です。

投稿: SAISEI | 2010年5月10日 (月) 22時47分

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