<DVD>共命時計【劇団空組】
1月に観劇した月の王子という作品で知った劇団。その時購入していた前回公演のDVDです。
月の王子(舞台観劇):http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/100116-4646.html
月の王子(DVD鑑賞):http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/dvd-90b6.html
月の王子は舞台観劇では少し物足りないと生意気を書きながら、DVDでは傑作という矛盾した感想を書くことになり、きちんと作品見れてるのかと反省しましたが、この矛盾はまんざら間違っていないような気がしました。
物語として作品を見た時はすごく素晴らしいとやはり思うのですが、これを舞台で演劇作品にした時に何か自分には物足りなさを感じる要素があるみたいです。
今回DVDを鑑賞してそう感じました。話の筋をを最初からしっかり把握した状態で観ると、そちらのすごさに気がいって傑作と感じますが、いきなり見ると、演劇作品としての何かマイナス要素に目がいってしまい、少し残念な評価になるようですね。
この作品も初見ですので、話としては面白いけど、演出でもっとすごいと思わせるほどの作品に仕上げることができるのではないかという感想です。
「まこと」という男の話です。
保育園。まことは父を亡くして母一人に育てられています。生意気盛りですが、寂しさを隠した反動でもあり、本当はとても優しい子。友達ともケンカをしながらも仲良くやっています。保育園の先生も手がかかるまことをいつも叱っていますが、とても大好きに思っています。ある日、みんなで散歩に行く途中、車に轢かれかけたまことをかばって先生が死にます。
パン屋。黒糖パンになっているまこと。隣にはお友達の黒糖パン。人気の無いパンなのでもう1週間も売れていません。新作メロンクリームパンやなかなか売れない抹茶パンやアップルパイなどとやりあいながら日々過ごしています。ある日、売れないパンは全て廃棄されるという中、ついに黒糖パンを買おうとする客が現れます。友達が選ばれて、無事に買われると思いきや、客が落としてしまい、代わりにまことが買われていきます。友達は廃棄となり死亡。
人気アイドルの男3人組。まことはその一員です。学校もあまり行けないくらいに人気上昇中です。二人組の女アイドルの子と恋をします。食事をして映画を見に行くというごく普通のデートをしようとしますが、マネージャーに止められます。どこで誰に見られているか分からず、ばれると色々な人に迷惑がかかるからです。人形じゃないと憤慨して、言うことを聞かずにデートを決行。次の日に悲しい知らせが飛び込みます。デートの相手が、まことの大ファンに殺されます。
ある国のお城。5年前に雇われた使用人がまことです。国王の娘をはじめ、色々な人達に信頼されて楽しく暮らしています。ある日、城に手紙がきます。隣の国の国王からまことに戻ってくるように指示されています。まことは国王の息子だったのです。母親は妃ではなく、使用人の女性。ひどい仕打ちをこれまで受けていたので、この国に逃げてきていたのです。後継ぎがいないため、仕方が無く、まことをということです。幸せになれるわけないので帰りたくありませんが、手紙には言うことを聞かないと戦争を始めるとも書かれています。悩みますが、みんなに行くなと言われ、残る決心を固めます。ある日、城に侵入者が入り、国王の娘が殺害されます。
家族の朝の食卓。ぼ~っと立っているまこと。今日は父のお墓参りの日のようです。母親、姉、弟、妹がワイワイやっています。母親は保育園の先生、弟は黒糖パンが大好き、妹はアイドルのようにかわいい子、姉は国王の娘のように綺麗な人です。まことはどうやら、父の死後、長男として家族を守ってきており、近いうちに婚約者と結婚するようです。家族のみんなが父のことばかり話すので、まことは少し気分をそこねます。もう死んでしまったのでどうしようもない、自分が守らないといけないのにいつまでも父を超えれないというようなイラダチからです。そして、墓参りに自分は行かないと言い出します。留守番を任せられることになったまこと。時計を見ると、ずっと動いていた時計が止まっています。確か、父が死ぬ前日にも止まったはずです。
家族みんなを乗せた車は墓参りの帰りに・・・。
悲しみにくれるまこと。自分のせいでみんなを殺したという気持ちがどうしてもぬぐいされません。そこに、家族のみんなが現れます。みんなから励まされ、しっかり生きろと言われるまこと。ようやくみんなに会えて、謝れたことで自分の人生をまたスタートさせようとします。
葬式会場。気を使った友達がまことの気を盛り上げようと頑張っています。それに、ふっきれたように振舞うまこと。もう大丈夫そうです。婚約者も駆けつけてきました。悲しみも大きいですが、これからの未来は決して悲しいだけのものではなさそうです。
あらすじはこんな感じ。場面転換は全てダンスが入り込みます。
説明がうまくないので、どこまで感じ取ってもらえるかは分かりませんが、話としては分かりやすいですし、非常に優れているように思います。
今度、再演でもされて観るとまた評価も変わることでしょう。
生意気書いていますが、とても良い作品であることは間違いありません。今年観劇した中では、お薦めの劇団の一つです。
残念なことが1つだけ。カメラが1つだけなので、迫力があまり伝わってこないのと、照明の関係で顔が完全に飛んでいます。ほとんど白色ののっぺらぼうの役者が演じているような状態です。カメラの台数は仕方が無いにしても、ホワイトバランスみたいなものはやはりきちんとしていただきたい。役者さんの表情は観劇の大事な楽しみですから。
| 固定リンク
「演劇(DVD)」カテゴリの記事
- フェイク・ショウ episode0【クリエイティブスタジオゲツクロ】(2015.09.01)
- 〈SP水曜劇場〉熱帯夜(初演版)【桃園会】150211(2015.02.12)
- <DVD>モナリザの左目【Nana Produce】(2013.01.07)
- <WEB動画>3 1/2【イッパイアンテナ】(2012.10.31)
- <WEBドラマ>虹をめぐる冒険【月面クロワッサン】(2012.11.18)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
おひさしぶりですうっ(。・w・。 )
PC復活っ!!MIOですwww
なんだかこの作品はあたしには難しい気がする(;;;´Д`)
2回ぐらいみて初めてわかりそうな・・・。
『まこと』はそれぞれ違う人が演じてるんですよね???
投稿: mio | 2010年4月19日 (月) 20時12分
>mioさん
ついに飽きちゃったのかと思ったよ。
まことは同じ人が演じています。
文章が伝わりにくいだけで比較的分かりやすい作品です。
まことの夢物語4編と現実の話というだけだから。
投稿: SAISEI | 2010年4月20日 (火) 00時15分