決戦!!ひなた荘「Busters vs Ghost」【お~い! 久馬(ザ・プラン9)×劇団赤鬼】100425
2010年04月25日 ABCホール
今度は、Busters側からの物語。劇団赤鬼の脚本です。
「Ghost vs Busters」の記事もご参照ください。
(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/ghost-vs-buster.html)
まず、舞台は火事のシーンから。
荒れ狂う炎に包まれて美少女が弟に手を差し出します。弟は炎を恐れて逃げていく。
ここまで書いて、急に気付きましたが、美少女って、役としては普通の姉弟のお姉さんです。役者の橋爪未萠里さん(劇団赤鬼)が美少女なので、現実と作品が混同してしまいました。今更、前の記事も含めて書き直すのは面倒なので、美少女=姉とします。
最初のこのシーンはさすがは劇団赤鬼らしく、炎を役者さん達がイメージで表現されており、本当に炎に包まれている感じがします。さすがは演劇のプロと思っていました。
カーテンコールで出演されたお笑いの方たちが、やはり同様に感じていたみたいで、自分たちもあんなことをしてみたいとその場でお笑いがやったらみたいなバージョンで再演してくれて、楽しませてくれました。
この作品は、ひなた荘のオーナーに依頼されたBustersの視点で描かれていますが、話はこの姉弟に起こった悲劇を中心に進みます。
弟の誕生日にろうそくを立てたケーキでお祝いする姉弟。親は働いていて帰ってきません。寂しがる弟は、仕事場から見えるこのひなた荘から煙を出して、心配させれば親が早く帰ってくると思い、それを実行してしまいます。その結果の悲劇です。火はたちどころに回り始め、ひなた荘を覆います。弟は姉に水を持ってくるように言われてひなた荘を後にしますが、炎が恐くて戻れません。最期の手を差し出して助けを請う姉の姿が脳裏に焼き付いています。
この弟が実はBustersの中のライター。ひなた荘の影のオーナーでもあります。今回、Bustersを集めたのも、姉と会って、成仏させるためだったのです。
集まったBustersはいかがわしい人たちばかり。ちょっとした心霊現象におびえて話になりません。ついには、科学チームの教授が死んでしまい、逃げ出そうとします。でも、目的を達成するためにライターはそれを許しません。ピストルで脅して、残りのBustersでGhostを成仏させようとします。
「Ghost vs Busters」では、Bustersが見えないGhostに羽交い絞めされたり、色々されます。もちろん、客にはGhostも見えていますので、互いがやりあう当たり前のシーンです。でも、こちらの話では、Busters視点なので、Ghostは客にも見えません。だから見えない何かに色々される姿を見るわけです。意味、分かりますかね。つまり一人芝居を役者さんはすることになります。そこで、「Ghost vs Busters」でのシーンを思い出して、あ~こうなってたんだと納得するわけです。
私はGhost視点を見て、Busters視点でしたが、逆の順番で見たら、もっと分かりやすいかもしれません。
どちらにせよ、綿密に設計された二つの物語というわけで、これはすごいなと感じました。
話は進みます。「Ghost vs Busters」では、美少女は成仏できたという事実だけが知らされます。こちらの話では、どうやって成仏したかが明らかにされます。
弟は姉が自分を恨んでいると思っていますから、自分が死ぬことによって一緒に成仏しようとします。ピストルを頭に近づける弟、それを姉が止めます。でも姿は見えません。そこで、霊媒師にGhostの姉を憑依させて、会話をさせるという手段をとります。そこで、何も気にしていない姉の気持ちを知り、弟は長年の罪の意識が消えます。そして、それを伝えることができた姉も成仏したというわけです。
こちらはハッピーエンド。オーナーは、ひなた荘を修復して元の姿に戻すことを決意します。
集められたBustersも帰路につきます。最後に残った科学チーム。教授も仮死状態から戻っています。最後に一仕事があると201号室へと向かいます。そこには、「Ghost vs Busters」では最後どうなったか分からない夫婦がいるはずです。きっと、彼らが夫婦を成仏させてくれるに違いありません。全てのGhostの除霊成功です。
カーテンコールは2回。さすが、お笑いの方がいらっしゃると場が盛り上がります。千秋楽ということもあり、裏ネタなども含めて10分ぐらい楽しいお話が聞けました。
最後は客も全員立たされての3本締め。ABCホールプロデュース、大成功だったのではないでしょうか。関西は劇場も少なくなっているとのこと。客としても、頑張って観劇しますから、ABCホールさんも長く、お笑いや演劇を育てていただきたいと願います。
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コメント
どうなんでしょ??
こっちからみたほうがわかりよい??
文章で読んでる限りは、
ゴースト側から見た方がわかりやすい気が・・・。
始めにバスターズ側からみたら、
お馬鹿なあちきはちんぷんかんぷんやったかも( ̄ー ̄)ニヤリ
投稿: mio | 2010年5月 3日 (月) 17時49分
>mioさん
謎解きの点からみるとバスターズ側かな。
どちらにせよ、リバーシブルな作品は難しいです。よくこんなもの作るなと思いますね。
設定は全然違うけど、良く似た別視点の作品で「楽屋ちゃん」という中野劇団のDVDがあります。これもけっこうお薦め。
投稿: SAISEI | 2010年5月 4日 (火) 15時37分