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2010年4月12日 (月)

奇妙奇天烈ファンシーハウス【劇団ぎゃ。】100410

2010年04月10日 インディペンデントシアター1st

福岡の劇団です。わざわざ大阪までやってきて公演されるのならと応援のつもりで観劇しました。

といっても、昨年もギンギラ太陽’sという同じ福岡の劇団の神戸公演を拝見してめちゃくちゃ良かった経験がありますから、ちょっと期待もしていました。

最終的に行き着いた感想は、話として良く出来てるし、役者さんも4人だけでしたが持ち味がしっかりあるし、ダンスや歌も入って楽しく観劇できるしでなかなか良い作品でした。

最終的と書いたのは、始まって30分ぐらいまでどうも劇団の雰囲気になじめず、何でこんなところで急に歌なのとか、もう最後のオチがネタばれしてるじゃんとか、設定が何かぼやけてるなとか思ってしまい、これ、あと1時間半も観るのきついなと思ったからです。逆にオチが分かり、雰囲気になじめた頃からの引き込まれかたはなかなかのものでした。時間をすっかり忘れてしまったぐらいでした。

自分に自信がなく、何でも人のせいにしてしまうような嫌な生き方をしているOL。この女性がトイレで自分の妊娠を確認しているところから、話はスタートです。
付き合っている男の子供です。でも、あまりうまくいっておらず、堕ろす選択も頭によぎっています。そこに一枚のビラが飛び込んできます。「ファンシーハウス」。何をしているところかは全然分かりません。
面接を受けに行くと、奇妙な格好をした女主人と従業員が二人。とりあえず、働くことになります。そこで初めて、ここの実態を知ることになります。
ここは人の命をかけるカジノだったのです。職はそのカジノのディーラーです。
ここに来る客は、何らかの理由で余命が短い人達。その人達と命をかけて勝負をします。もちろん負ければ、命が削られます。勝って、その人達の命を奪ってしまう女性。
つらくなった女性は、ある女の子との勝負にわざと負けます。そのため、自分の余命が半年ぐらいになってしまいます。そのことをファンシーハウスの主人に責められますが、人殺しはできないと反論する女性。
でも自分もその人殺しをしようとしていたじゃないかと責め返されます。堕ろす選択です。
主人には責める理由がありました。それは、その主人こそ、女性のおなかの中の子供だったのです。
自分の子供がこんな恐ろしいことをしていることに耐えかねて逃げ出す女性。

気持ちが落ち着いたところで、女主人と最後のゲームをすることになります。このままでは女性は死んでしまう。女主人も生まれてきたい。
最後のゲームは人間ブラックジャック。女性にとってこれからの人生で迷惑をかけられるであろう13人に順番にカードが貼られており、その組み合わせで21を目指すというもの。
13人は子供の父親、その浮気相手、会社の上司、友達、親・・・。
女性は15、主人は20になります。
女性は迷惑をかけられるであろう6番目を、主人はNo.1を選べばブラックジャックです。
女性は無難に会社の同僚、主人は女性の母親を選びます。会社の同僚にはつきまとわれているけど悪い人では無い、母親はいまだに女性のところにお金をせびりにくるからです。

結果は・・・。女性の勝ちです。命を取り戻します。
主人はバースト。大事なことを忘れていました。No.1は当然・・・。

命を無くした主人は最後の時を迎えますが・・・

あとは、ご想像通りのハッピーエンド。シーンも最初のトイレに戻り、ちょっと違った決断をする人生再出発という形で終わり。

細かな設定に無理矢理感はあるものの、よく考えるものだなと思います。

前半感じたきつい印象は、命をかけたゲームシーンが長すぎるのが原因でしょう。設定を理解させるための手段なんでしょうが、ちょっとダラダラ感があったように感じます。
でも、結局、そのおかげで後半の盛り上がりがはっきりして、最後には物語同様、こちらもハッピーということになりましたが。

役者さんは4人だけなので、皆さん印象に残っていますが、中原智香さんだけ挙げておきます。舞台上での雰囲気の変化がさすが女優という感じでした。
最初のトイレシーンでは単なるダメOLみたいな、男にいいように利用されるイメージです。そのうち、だんだん内面の汚さが出てきます。妊娠したのも男の気を引かせる策略だったし、友達のことも実はうっとうしく思っているような人です。その頃はなぜか顔も汚らしくぶさいくに見えてくる(実際はけっこう美人さんです)。最後は母の優しい顔も見せてくれるし、最初のシーンに戻った時は、少し明るく変わった笑顔が素敵に見える。役を演じるのだから当然とはいえ、すごいものです。ちなみにカーテンコールの素のお姿は、どこにでもいるようなOLみたいでした。

次回公演は、当然、福岡みたいです。ツアー公演とかは体力的にも経済的にも大変でしょうから、もうなかなか拝見することはないでしょうが、ご活躍いただきたいと思います。

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コメント

この作品はなんか興味ありますね☆

なんでしょう??

人が一歩踏み出すストーリーとか大好きです(◎´∀`)ノ

あと、昭和ロマンな感じの作品もっ☆

もちろん最後はハッピーエンドじゃないとねっ♪

投稿: mio | 2010年4月14日 (水) 18時39分

>mioさん
他のブログや脚本・演出の方の話を見ると、一歩踏み出すハッピーエンドの中に、ある種の恐怖を感じて素直に喜べない残酷さを感じ取るのが正解みたいです。
全く感じませんでしたね゚゚(´O`)°゚

投稿: SAISEI | 2010年4月15日 (木) 09時53分

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