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2010年2月25日 (木)

<DVD>ラジオスター【劇団ショウダウン】

昨年4月に劇場で拝見した公演のDVD。

観劇を始めて33番目に見た作品です。

役者さんの顔も少しずつ覚えてきた頃ですね。もちろん今でもそうですが、自分の知った役者さんがどんな役をするんだろうとドキドキしながら劇場に通っていた頃です。あの当時に感じた気持ちがDVD鑑賞でよみがえってきました。

当時、本当にどう感じたかはしっかり覚えていませんが、今、思うのは非常に作品と役者さんがマッチしているということです。

読書では人物を自分で好きなようにイメージできます。演劇ではそれができないので、役者さんのイメージは観劇する側にとっては非常に大事なものです。ドラマや映画も同じでしょうが、生の舞台という特殊な環境がそれをより強くするような気がします。

舞台は占領下の日本。抵抗を続けるゲリラ軍と完全制圧を目指す解放軍。ゲリラたちの中に3人の男たち。敗戦国の日本でいまだ投降せずに隠れて暮らす人たちへのメッセージを伝え続けるためにラジオ放送をしている人たちです。
ある日、ラジオ放送にメールが届きます。一人の女の子の応援メッセージ。ラジオ放送をしているパーソナリティーは見たこともないその女の子に特別な気持ちを持ち始めます。
占領軍はこのラジオ放送が完全制圧の邪魔をしていると考え、殺人兵器を用いて制圧に乗り出します。
パーソナリティーは多くの仲間の犠牲者を出して、ラジオ放送の意義に悩む中で、放送を中止することも考えますが、応援してくれる女の子の思いはつのる一方。そんな彼を仲間たちが支えます。
らちが明かない占領軍は、ある提案を。人を殺さないマラソン大会で闘い、勝てば解放、負ければ解散という条件です。
罠があるとは思いながらも、女の子にメッセージを届け続けるために走る決断をするラジオ放送の人たち。この公演の題名であるラジオスターの登場です。・・・

2時間半の大作ですから、ざっくりしたあらすじです。

大事な設定がたくさんあるのですが、書くと説明しにくくなるので書いていません。なので、見ないと内容を把握するのはちょっと厳しいです。

マラソン大会というおかしなところにたどりつくのも、占領軍に使命感を持って制圧を行おうとしているものの、本当は戦争に疑問を持つ心優しい大佐とその人を愛するがために持ち前の頭の良さを生かして、残虐な方法でゲリラ軍を追い詰めてしまう部下の絡みが関係しています。

全く別の次元で、なぜか猿が出てきます。ゲリラ軍に接触してきて、かわいがられている猿です。この猿もラジオパーソナリティーが大好き。でも、自分は動物だから、人間は人間を好きになるべきだからと、その女の子への思いを応援します。
占領軍の残虐兵器で多くの犠牲者を出したゲリラ軍。報復のために爆弾を占領軍内に持ち込む必要があります。ゲリラ軍の隊長はいけないと分かっていながらも、その猿に持ち込ませて、一緒に爆破させようとします。人間のことが大好きだから、分かっていてもそれを無邪気に運ぶ猿。
戦争の中の矛盾した感情や行動をうまく表したエピソードとして入れ込まれ、作品を盛り上げているように感じます。

誰もがいいなんて決して思っていないのに、戦わざるを得ない戦争という環境。その中で、最後の灯火のように生まれた恋に、多くの人たちが本当に自分の思いに気付き始めるような感じでしょうか。とってもいい作品だと思います。

役者さんがマッチしていたのは上述したとおり。少しだけ、書いておきます。

ラジオ放送の人たちは永井悠造さん(隕石少年トースター)、杉森大裕さん(売込隊ビーム)、梅田喬さん(劇団天悟)。当時は永井悠造さんしか知りませんでした。そして、この公演を拝見したのも、この方が出演されているから。ごく普通っぽい感じなのに、ものすごく味のある演技をされる方なんです。杉森大裕さんはウェルかめなどにも出演されている売込隊ビームの若手のホープみたいです。梅田喬さんも、その後いくつかの公演で拝見していますが、この作品の男気あるような役はぴったり。
この3人がかもしだす、言うならば友情がとてもいいです。

占領軍の上司と部下は土性正照さん(劇団赤鬼)、林遊眠さん。心優しい雰囲気や使命感を持って任務にまっとうする姿は、まさにこの方しかいないのではないかと思うぐらいです。林遊眠さんは、劇場で拝見した時は、まだよく知らなかったので、印象に残っていなかったのですが、その後の公演でよく覚えている役者さん。そのため、DVDをあらためて拝見してみると、どうしても目がいくので注目していると、けっこう独断場でした。この人の過激できつい持ち味をだして、ちょっと妄想が入った演技は抜群ですね。
作品中では愛する上司に認められようととにかく勝つことだけを考えた残虐な戦法を進めるのですが、上司には逆に反感を持たれてしまいます。ずっと強気にふるまっているのですが、一瞬だけ涙をぬぐうシーンがあります。もう書かなくても分かると思いますが、キュンですね。

その他の役者さんも大変ぴったり役があっていて、見ていて気持ちのいい作品でした。こういう作品は再演とかで役者が変わったらどうなってしまうのかを見ると面白いだろうなと思っていたら、どうもこれ自体が再演みたいです。数年前に京都で初演があったようです。これも、見たかったな。
また、再々演があることを期待します。

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コメント

いいですね~★

初心を思い出しましたかっ?(◎´∀`)ノ

派閥・恋・友情、感情が入り混じっていて

まるで映画みたいっ♪

文章を読んでるだけで、クオリティーが高いんだなって

わかります★

投稿: mio | 2010年2月25日 (木) 01時08分

>mioさん
たしかに映画にできるレベルだと思います。
多分、泣けるんじゃないですかね。
貸したいDVDばっかりだな。

投稿: SAISEI | 2010年2月25日 (木) 21時59分

ホントに文字を見てるだけなのに映画を観てるような錯覚 しかも生声の舞台ならなおのことド迫力なのでしょうね これはDVDじゃなく生で見てみたかったなぁ そうすれば私も演劇にハマッテたかも

投稿: 魔呼斗 | 2010年2月26日 (金) 01時51分

>魔呼斗さん
今度、名古屋で演劇とか観に行ってみてくださいよ。
アバターもいいけど。
映画とは違う面白さがあるし、一緒に行った人ともちょっと違った雰囲気のデートが出来ると思いますよ。

投稿: SAISEI | 2010年2月26日 (金) 10時27分

そうしてみたいのですが…相手も子供3人居るので…それ以前に私の風貌で素通りされませんかねぇ(:_;)

どう思います?


SAISEIさんを真似てヒゲはやしたのが余計に悪人相になったのは事実

完全に相談ですね

投稿: 魔呼斗 | 2010年2月26日 (金) 18時28分

>魔呼斗さん
う~ん。これは専用の記事を作って、そこにコメントしてもらわないといかんな。
素通りの可能性もあるけど、意外にOKかもしれないですよ。子供とかに結構気に入られたりしてね。

投稿: SAISEI | 2010年2月26日 (金) 20時04分

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