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2010年2月 1日 (月)

ワタシ末試験 追試(再演)【baghdad cafe】

2010年01月31日 芸術創造館

この劇団は、私の中では昨年の第2位に「キセキのこどもと私の飛ぶ空」という作品がランキングしているお気に入りです。(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/k2.html

今回は名前のとおり、再演。昨年の初演も劇場で拝見しています。その時は、ブログを書いてなくて良かったです。話の内容がほとんど頭に入ってこなくて、きっと何も書けなくて困ったと思います。この作品は、何か賞を受賞されて、再演が決定したみたいです。ですから、世間が認める立派なもので、そんな印象に残らない作品な訳ないんです。

どうして記憶に残ってないのか、しかも好きな劇団なのに。考えられる理由は幾つかあります。
・仕事や私生活で心配事があって、観劇に集中できなかった。
・作品の中核となるシーンでウトウトしてしまい、以後は全く話についていけなくなった。

・観劇した席周辺に集中を乱すような人がいた。
・観劇のはしごをして、前の作品の感動が覚めず、集中できなかった。
・お気に入りの役者さんがお客としていらっしゃっており、近くの席に座ったのでそちらをチラチラ見てしまった。

・舞台上のある特定の役者、特にかわいらしい女性だけを目で追って、ストーリーはほったらかしになった。

どれもこれまでに経験した観劇の失敗です。
まあ、これが理由ならばいいんです。以後、気をつければいいのですから。

自分としてつらいのは、

「私の感性があまりにも乏しく、賞を受賞するような芸術的作品は頭が拒絶してしまう」

が理由だったらということです。

ですから、今回はそれは違うということを実証するための大事な観劇なのです。

前置き、長くなりましたが、そんな真剣な気持ちで臨んだ観劇。どうだったかというと・・・、

う~ん、やっぱり難しい。でも、初演を観劇した時とは全く違います。この作品がすごく奥深い事は分かりました。そして、私の大好きな「キセキのこどもと私の飛ぶ空」と同じように、自分に自信を持てない弱い人間が、色々な人達と向き合うことによって、成長していくという共通のテーマを持っていることを感じ取っています。

作品の中心は女子高生。平凡な感じですが、傷つきやすく自分に自信を持てないような子です。物理の先生にあこがれています。同級生が物理の先生に告白しますが、先生から代理でダメと伝えるように言われてしまいます。それを伝えられなかったことから、話はスタートします。友達を失い、つらい立場に。元々の性格もあって、どんどんネガティブな感じになります。
そんな中、出会った不思議な路上アーティスト。彼が見せる色々な人達。
ワインショップの人を好きになるが臆病になっている40代女性。
女性とは話したこともないフィギア好きのおたく男。そいつを金づるにしようとする女。
部下にもどんどん抜かれるダメ係長。
大切な先輩や女のために強くなろうとする番長。
ゴミ屋敷のおばさん。
捨て犬。
昼はテレホンセンター、夜はお水の女。
病気で部屋に閉じ困った女。内気でいじめられるその妹。

みんな悩み傷つきながらも生きています。そんな人達が、徐々に女子高生とつながっていきます。
そして、みんな、それぞれの形で成長していき、少し強くなっていきます。
やがて女子高生は、大好きな先生が電車に轢かれる未来を見せられます。未来は変えられないという路上アーティスト。でも、先生を助けたいという強い思いを持った女子高生は、これまでの自分の弱さを吹き飛ばして、未来を変えるために時空を走ります。そして、たどりついた未来は・・・

分かりにくいでしょうが、ここまであらすじ書けるだけで、初演よりは立派に成長しているというものです。

弱い人の成長物語、すごく好きな作品のはずです。未だ難しかったなと感じるのは2点理由があるように思います。

一つは、単純に話の構造が難しい。幾つもの人の世界がリンクしていますから、本だったとしてもそれなりに難しく感じるのではないでしょうか。

もう一つは、演劇だからこその理由。まず、演出なのか役者さんが全員、すごくカラフルなドレスなんです。要は現実離れした服装なのに、話はすごく現実的。何かを意図されているのでしょうが、私のような素人にはすごく違和感があります。だから、舞台での幾つかの世界の転換点が分かりにくいです。また、役者さんも世界をまたがって、何役もされているのに、服装とかは全く同じですから、だんだんとぐちゃぐちゃになるわけです。

以前拝見して良かったと言っている「キセキのこどもと私の飛ぶ空」は、一つの世界で舞台が進みますから、きっと分かりやすかったんでしょうね。それでいて、自分の好きな人が成長していくようなパターン。だから、印象に残ったのでしょう。

受賞作品というのも何となくですが分かる気がします。プロの目から見ると、きっとすごくうまい作りになっているのだと思います。

まだこの手の作品を楽しむレベルには残念ながらないですね。まあ、無理せず、そんな時は話ではなく、役者さんを楽しめばいいのですが。これが本とは違うところです。

でも、再演を拝見できて本当に良かった。初演だけでは記憶から消えてしまうところでした。こういうことになりがちだから、DVDを必ず出して欲しんですよね。この劇団は一切出してないのです。関係者が見ること無いでしょうが、是非ご一考を。

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コメント

うんうん。

文章で呼んでいるだけでもムズカシソウ(〃゚д゚;A 

前半の『なぜ記憶に残っていないか』のところの方が

あたしにはつっこみどころ満載で面白かったですけどね★

投稿: mio | 2010年2月 2日 (火) 01時44分

>mioさん
集中力に欠けているところがあるからね。
作品ではなく、役者に引かれてしまうのは仕方がないので、そういう作品はこれから2回見ようと思っています。

投稿: SAISEI | 2010年2月 2日 (火) 10時26分

はじめまして、baghdad cafeの一瀬と申します。お邪魔します。
「ワタシ末試験 追試」にご来場いただき、ありがとうございました。
そして、「キセキのこどもと私の飛ぶ空」が2位だなんて…!!
なんて嬉しいことでしょう!ありがとうございます。

今回の「ワタシ末」は、確かに「キセキ」と違い時系列がバラバラな構成で、
私もだいぶ悩みました(´Д`A ```感性が乏しいのではないですよ!
お伝えしきれなかった私たちの勉強不足、力不足です。
これからますます精進しますので、ぜひ8月も観にいらして下さいね。

今回は撮影もしてもらったので、DVD考えてみようと思います。
貴重なご意見、ありがとうございます。長々と失礼しました。

投稿: 一瀬 | 2010年2月 2日 (火) 23時46分

>一瀬さん
コメントありがとうございます。
え~、本物w(゚o゚)w
劇団の看板女優さんからコメントもらった~ヽ(´▽`)/
もう、ここに寄られることもないでしょうから、近いうちにこの方のブログにコメントのお礼はするとしましょう。
8月までに、baghdad cafeの素晴らしさ、作演出の泉寛介さんの独特の世界感、一瀬さんはじめ劇団員の方々の魅力をもっと感じられるように観劇経験を積み重ねていくことにします。
嬉しいなあ。夜遅いけど、誰かに電話しようかな。

投稿: SAISEI | 2010年2月 3日 (水) 00時34分

劇団員さんから直接カキコあって良かったですね(^O^)

投稿: 魔呼斗 | 2010年2月 6日 (土) 20時17分

>魔呼斗さん
すごいでしょ。
でも、魔呼斗さんからコメントもらえたのも嬉しいですよ。

投稿: SAISEI | 2010年2月 7日 (日) 00時10分

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