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2010年2月 7日 (日)

スーパースター【劇団鹿殺し】100207

2010年02月07日 アイホール

この劇団も、劇場で拝見するのが3回目になりました。前々回公演「ベルゼブブ兄弟」、前回公演「赤とうがらし帝国」でしたっけね。

最初は劇団名を見て、何だこれみたいな興味本位で行って、本格的な作品見せられてびっくりしたのを覚えています。役者さんや舞台がなんか迫力があるんですよね。別に観劇しているだけですから、とって食われる訳でもないのに、何かされるんじゃないだろうかとオドオドして拝見しました。

劇団の作品スタイルがおぼろげながら理解出来てきたような、今回の3回目の観劇。鹿殺しらしい作品でした。

公団の一家。そこに住む両親と兄弟。弟は度胸が据わっていて将来はスーパースターになることを期待される。兄はどこか頼りない、泣いてばかりの子。
経営が苦しい親の事業の中で母親がついに倒れます。母親の面倒を見ないでボクシングに夢中だった父と弟を責め続けます。

時が経ち、大人に。弟は本当にボクサーとして大活躍。兄は売れもしない漫画を描く毎日。その漫画には自分が考えたスーパースター達が登場します。でも、しょせん星を持っていない兄の作ったキャラクターがうけるわけがありません。母との思い出が詰まる公団の立ち退きも迫られ、何もかもうまくいかない兄。
そんな時、雑誌の編集者から電話が。投稿された作品が素晴らしいから連載をと。でも、そんなものを投稿した覚えはありません。調べてみると、それは子供時代に自分のそばにいて、いつも助けてくれたスーパースターの話が。もしかしたら、あのスーパースターがまた自分を助けようとしてくれているのでは・・・

これぐらいでざっくりは分かりますかね。毎回、あらすじ書くのは難しいです。

芝居をよりいっそう引き立たせるようなオリジナルの歌を間に入れてくるのは見ている側からするとすごく効果的ですね。作品に入り込みやすいです。菜月ちょびさんの歌声もいいですしね。初めての観劇の時から思っていたのですが、何か特殊なことしてるんですかね。音で体がビリビリするんです。他の劇団では、もっと大きい音楽でも、特に感じないのに。今日もビリビリしましたわ。

あとは元々何もない舞台セットが息を抜く暇なく、色々なシーンに変わっていく。そうですね、舞台を見せようとする力をすごく強く感じる演出のような気がします。

この劇団、今年が10周年らしいです。旗揚げ5年で東京に行って、今の地位を得たんですね。今年は、今後の10年を歩くための自分たちへの応援歌として公演するとチラシに書いてありました。

劇団のブログを以前拝見した時に、「大阪にいた時は、演劇する人はバイトをしないと食べていけない。もっともっと演劇のことだけを考えて生活したい。そのために東京進出を考えた。」みたいなことが書かれていました。そして、今、それが何とか実現できているそうです。

素晴らしいことです。考え方がです。そして、実現する一つのスタイルを築かれたことが。お金のこと書いていやらしいですが、やはり採算性あっての話です。

よく、小演劇界では役者に払うギャラは無いみたいなことを聞くのですが、本当なのでしょうか。芝居をお金払って見に行っても、楽しませてくれた役者さんはじめスタッフの方々にそれが行き渡らないのでは、何にお金を払っているのか分かりません。企業だったら、チケット代を上げる、公演コストを下げる、作品の質を高める、サービスで勝負する・・・などの対策を取るはずですよね。社員に給料払わず、運営する会社は無いでしょう。お金は別の会社で働いてそっちでもらってと言ってる訳ですから。

あらためて書くと、役者さんってよくやってるな。例えて言えば、給料はもらえないけど、毎日食べにくる客に料理を作っていますみたいな感じですか。それもよりおいしく食べてもらうため、毎日修行して。料理作るのが好きだから、喜んでくれるお客さんのお褒めの言葉がギャラよりも嬉しいから、それでいいのですかね。でも、自分が食べられなくなったら、料理どころじゃなくなって、作るのやめちゃいますよね。それでは、その料理を食べていた客としては困るんです。もうずっと食べられなくなっちゃうなら、初めからそんな店知らなければよかったという考えにもなってしまいます。

話がかなりそれてしまいました。

言いたいことは、だから、この劇団のように10年後へ向かってのスタートだと言い切れる姿がすごく頼もしく見えるということです。

もっともっと活躍して、また新たな成功方程式を作り上げてくれたらと願っています。

今年は、これで大阪公演は無いらしいです。2010年新たな10年へのスタート公演の千秋楽を拝見できたわけで、大変な光栄なことです。

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コメント

10年後へ向かってのスタート

素敵ですね★

きっとこのままでは・・とゆう気持ちからと

自分を甘えさせないための布石なんでしょうね

うん!!

かっこいいっc(>ω<)ゞ

見習わなきゃなっ★

投稿: mio | 2010年2月 7日 (日) 21時39分

>mioさん
ワタミの社長みたいだね。
5年後、10年後の自分を想像しろみたいな。
ここは本当に大きくなるんだろうな。

投稿: SAISEI | 2010年2月 8日 (月) 14時03分

くさい事を言うならば「夢は見るものじゃなくて掴むもの」でしょうか 今のSAISEIさん達のように しかしこの劇団のお芝居はSAISEIの心にビシバシ響くみたいですね

投稿: 魔呼斗 | 2010年2月 8日 (月) 18時17分

>魔呼斗さん
いい言葉です。
もしかしたら、こんなことを絶妙なタイミングで話すからもてるの( ̄ー ̄)ニヤリ
私もどこかで言ってこよう。
よし、今からちょっと店に顔出してみるかな。

投稿: SAISEI | 2010年2月 8日 (月) 20時38分

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