マーチ!【売込隊ビーム】100130
2010年01月30日 インディペントシアター1st
ひどかったなあ。いやいや、作品の出来じゃないですよ。ラストが!
思いっきりブラックで終わるんだもの。あんなにずっとコメディータッチで楽しい時間だったのに、ラストシーンにはあ然です。きっと、脚本の方は終わってちょっとがやがやする客席を見て、計算どおりとにやりとされたことでしょう。
元々、この劇団はこういう計算し尽くされたブラックな脚本を、役者さんがうまく暗くならないように演じられる形の作品が多いようですね。購入した昔の作品DVDではそんな感じの作品が多いです。個人的には筒井康隆が書きそうだなと思っています。
昨年、本公演を二つ拝見しています。少しブラックさが緩くなった感を持っていましたが、今回は本領発揮です。
舞台はとある国(名前は忘れてしまいました)の牢獄の外と内側が同時に進行します。
内側では軍隊の写真を撮影しただけで、牢獄に入れられてしまったツアー客とガイド、そして新婚旅行中の旦那さん。脱出の策を練りますが、結局声は届かず、ツアー会社の上司と妻の助けを待ちます。
一方外側には、ツアー会社の上司と妻、そして旦那が牢獄に入れられるきっかけになった男。こちらも、中に入る手立てが見つかりません。そこに、兵士がやってきます。兵士は妻に一目惚れ。これを利用して、中に入れてくれれば付き合うということで話を進めます。でも最後の最後にその嘘がばれてしまいます。怒った兵士は、罰を与えるためにある行動に出ます。そして、・・・
90分の短めの作品。舞台転換も何回もあるわけでなく、内側と外側の状況を把握させておいて、最後にそれを連結させるというような、分かりやすい作品でした。それだけにラストは衝撃的。
今回は劇団の若手の方だけが出演されています。といっても、本公演で拝見した方もちらほらと。ブログとか拝見している限りでは、教育とかもかなりきちんとするみたいで、きっとかなり厳しい劇団じゃないでしょうかね。素人から見てもいつも完成度の高い作品を常に供給されているような気がします。劇団の先輩方は関西を代表するクラスの役者さんばっかりですしね。
チラシの中に、作演出の横山拓也さんがごあいさつで、特に辻るり子さん、平地恵さん、二曽純さんを気にしてみるとこの劇団通になれると書かれていたので、注目して見ました。
若手とか言いながらも、変に存在感がありますね。他公演での役を拝見したことがないのですが、今回の役どころがなぜかぴったりはまっているように見えます。
元気一杯、姉御肌の辻るり子さん。ちょっと天然、おとぼけの平地恵さん。シュールでひょうひょうしている二曽純さん。といった感じでインプットしておきます。
客演ではやっぱり大好きな劇団、コメディーユニット磯川家の菊池裕太さんは面白い。ちょうど、去年の今頃、観劇を始めた頃の舞台で拝見して、面白い役者さんだなあと思ったんですよね。いつ見ても、魅力ある役者さんです。来週には劇団の本公演があるはずだけど、大丈夫なのかなあ。休む間なしで。
明日も13:00と17:00にやっています。ぜひ、足を運んで、ラストのえ~っていう感じを味わってください。
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コメント
ん!?
今回は、『いい意味』で裏切られた感じなんですかね??
しっかしほんと詳しくなられましたね♪
投稿: mio | 2010年2月 2日 (火) 01時06分
>mioさん
これ、ブラックで面白いよ。短いのでサッと見れます。
筒井康隆に通じるということは、私の中ではリリーフランキーにも通じると思っています。
初演のDVDを購入しようと思ったんだけど、ちょっと見てないDVDがたまりすぎているのでやめました。
またの機会に貸しましょう。
投稿: SAISEI | 2010年2月 2日 (火) 10時40分