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2010年1月17日 (日)

月の王子【劇団空組】100116

2010年01月16日 インディペンデントシアター 2nd

昨年の魔法のチョコレートの「ゆきの天使とクリスマス」でこの劇団を知り、今回の観劇となりました。(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-1520.html

その時は3人が客演されていましたが、しっかり覚えているのは富永裕美さん。元気なトナカイを演じられていたのが印象的でした。

そのイメージから元気で楽しい劇団なのだろうと思っていましたが、まさにそのとおりでした。

(以下、文章は稚拙ですが、ネタバレするかもしれません。1/17(日)にも公演があります。また、4/4には滋賀でも公演がありますのでお気を付けください)

大学生のカップルのアパートにある日、童話の登場人物が次々に現れます。
桃太郎・赤ずきん、乙姫・白雪姫・シンデレラ。みんなある人物を探しています。それはかぐや姫。
さらにはかぐや姫を捕える任務を背負った男と女。童話の作者までが現れます。
かぐや姫は月の王子とかけおちをしたのです。
でもそれは許される恋ではありません。お互いが異なる物語の登場人物ですから。

今から1000年も前に作られた童話の登場人物たち。今ではみんなに童話としてよく知られている人達です。
でも月の王子は今、童話として残っていません。それに他の童話も元々はすべて悲しい結末を迎える物語だったのですが、今はすべてハッピーエンドな童話です。それには訳があるのです。
月の王子は作者が一番最初に作った物語で幸せな結末を迎える童話でした。でも、それは人々に、結局誰かが助けてくれて幸せになれるんだという誤った考えを世間に植え付けてしまいました。それ以後、作者は作品をすべて悲しい結末にします。
結ばれない運命のかぐや姫と月の王子。このままではみんなに迷惑をかけると判断した月の王子は、かぐや姫を幸せにするために、ある決断をします。自分を抹消することを作者に依頼したのです。そして、その他の童話にも幸せを与えることをお願いしたのです。
その結果、月の王子は世の中に存在しない童話となり、他の童話はすべて幸せな結末を迎える物語として、今、存在しているのです。
かぐや姫は最後、月に帰ります。それはきっと月に自分を愛してくれた大事な人がいるからなのでしょう。

といった感じのあらすじです。

とても素敵な話ですね。よく考えるもんだなあと作家には感心します。

作家は赤ずきん役の空山知栄さん。元気のかたまりみたいな人でした。

最高でしたと書きたいところですが、何か分からないのですがマイナスがあるんです。どうも、ストーリーにしっかり入り込めなくなるような、まとまりの無いところがちらほらとあって。

ちょっと引いてしまうような笑いを誘うところ、要ははずすということですか、そういうのに違和感を持ってしまったのかな。

よく分かりませんが、私の中では演出次第でもっともっと素晴らしい作品になるような気がしています(生意気な書き方、ごめんなさい)。もちろん、いい作品だと感じたことは間違いないです。

目を引いた役者さんを書くようにしているのですが、今回は全員です。もしかしたら、ここも、逆にまとまりが無く感じたポイントかもしれません。ただ、富永裕美さんは前公演のイメージとは変わって、切ない役ですから印象が変わりました。

途中、入り込むダンスなどは見ていて楽しかったですね。なんせ、童話のキャラクター達が揃いも揃って踊るのですから、壮大です。

この作品、再演で初演のDVDが販売されていたので購入しました。また、鑑賞して比較してみたいと思います。けっこう、これ、演劇の楽しみの一つだと思います。

ちなみにDVDは500円。安いので前々、前々々公演のDVDも買ってしまいました。乙姫様に手渡されましたが、綺麗な方でした。

次回公演は8月。多分、優先的に観劇すると思います。100点満点ではなかったですが、素敵な劇団であり、今後益々活躍されるのは間違いないと思いますから。

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コメント

すごい素敵なお話ですね☆

見てみたいっ(゚▽゚*)

『かぐや姫が月に帰る』ってとことか

なるほどね~♪って感じです!!

投稿: mio | 2010年1月17日 (日) 20時48分

>mioさん
若い女性の脚本ですから。
やっぱり夢があって素敵な作品だと思います。
こういうことを考えられるのは人としての魅力ですね。

投稿: SAISEI | 2010年1月17日 (日) 22時50分

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