百鬼夜行絵巻【関西大学万絵巻】100110
2010年01月10日 一心寺シアター倶楽
拍手拍手!
大作を見せていただきました。
学生劇団の卒業公演ですから、劇団員1回生から4回生まで総出で公演に臨まれたことでしょう。立派な作品・舞台に仕上がり、それを楽しませていただいたことに感謝です。
大作なので、詳しく書けませんが、ざっくりしたあらすじは、
舞台はナカツクニ。アヤカシとニンゲンが暮らしています。
そこに鬼が現れ、村を破壊し始めます。百年に一度の逢魔ケ刻が迫っているようです。
記憶を無くし父を探す少女・刹那、その少女の持つ高価な頸飾りを報酬に付き添う剣の達人・八雲。
逢魔ケ刻を絵巻にしようとしている絵師・黄泉とその弟子・大蛇。
鬼を退治しようとしている心優しい3人組・乱世、鎌鼬、天照と彼らに鬼から助けられた少女・ナオリ。
情報屋・笹観。
目的は様々な彼ら彼女らですが、やがて逢魔ケ刻を止めることで結束し始め、鬼たちに挑み始めます。
鬼は首領・羅刹と有能な部下3人・加賀智、鎌足、玉藻。
鬼たちとの戦いの中で、明かされる謎や裏切り。
ついに犠牲者が出る中で、それぞれの信念のもと、最後の鬼との戦いが始まります。
いざ書くとちょっと難しいですね。見ていると結構スムーズに話が入ってきたんですけどね。まあ、だいたいこんな感じということで。
個々の役者さんが大変個性的、かつ魅力的なのでキャラクターが分かりやすく、楽しく観劇できました。真剣なシーン、泣かせるシーン、笑いを小まめに混ぜ込むところ、迫力ある殺陣・・・。盛りだくさんなごちそうをたくさんいただいた感じです。
この劇団、前回公演「呪いの館で、僕と握手!」を劇場で拝見しています。
役者さんの顔は何となく覚えているのですが、名前は全くという状態。唯一イトウエリさんだけは魔法のチョコレートで拝見しているので分かるというぐらいです(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-1520.html)。でも見始めたら、だいぶ思い出してきました。
卒業公演なので記念に全員の感想を少しだけ記しておきます。言葉が稚拙なので、簡単にしか記しませんが、全員素晴らしかったですという気持ちだけは共通です。
全員が4回生というわけではないみたいですね。4回生のアルバムは劇場でもらったのですが、よく分からないので、パンフを見ながら役名で全員を。申し訳ないですが、鬼や村人はごちゃごちゃで一人一人を確認できなかったので無しです。それと牛頭鬼・馬頭鬼も。戦うところしか無かったので。
・鎌鼬
前回公演で拝見してますね。すごく、特徴的な顔なので(いい意味でね)。ものすごく、単調なしゃべり方されます。感情が伝わりにくそうなのに、伝わってくるのが不思議。舞台に出てこられると、何か安心感のようなオーラを出されているように感じました。
・天照
この方も前回公演出てたのでは。美人だなと思ってチェックしていたので、多分間違いないはず。今回も綺麗で、巫女的な役がお似合いでした。最後のあいさつで「私たち1回生の公演が・・・」と宣伝されていたので、1回生なのかな。じゃあ、また拝見できるな。見に行こう。
・ナオリ
よく考えると学生なので年齢差がほとんど無いのに、大人から子供までの役をこなされてるんですよね。役者だから当たり前とはいえ、すごいものです。この方は守ってあげたいかわいらしい子供から、残酷きわまる悪女を、ちょっとした衣装チェンジで切り換えてしまうんだからすごいです。私生活でも切り分けてるのかなあ。
・乱世
最初、変態っぽい役で出てこられたのに、どんどんかっこよくなっていきました。どっちでもいけるよという実力を見せつけてくれたのでしょうか。死に顔が、男前だなあとか、あれだけ動いたのにぴくりともしないんだと思いながら、感心して見ていました。
・刹那
単純にめちゃくちゃかわいい。表情の豊富さにどうしても目がいってしまいます。役者の魅力でしょうね。劇団そとばこまちにいらっしゃるので、また拝見できそうです。まずは、3月に公演があるみたいですね。絶対見に行こう。
・八雲
この方も見たことあるような気が。でも印象が全然違う。ちょっとかっこいいもんね。口は悪いけど、本当は優しいみたいな今回のような役が似合いそうですね。最初、失礼ながら殺陣が不安だなあと思って見ていたのですが、後半は見事でしたね。緊張してたとかうまく相手と合わなかったのかな。
・山伏狼
最初の方で出てこられて、テンション高い役はきっと大変ですよね。まだ、客側は構えて見てますからね。でも、見事なものですね。あのやり取りで、こちらの緊張も緩和したような気がします。最初と最後しか出てきませんでしたが、実は重要な役なのでは。
・物実、日向
すごく落ち着いた夫婦演じられてました。学生なのにねえ。雰囲気は結婚10年目ぐらいの安定感でした。せっかくなので、回想シーンとかで仲良く暮らしている姿などもう少し見たかったな。
・笹観
勝手な想像ですが、私生活もこんなノリノリな感じの方なのではないでしょうか。度胸が一番すわってそうでした。もちろん決めポーズとかかわいらしかったです。
・大蛇
この方、天才的。相当、頭が良くて回転の速い人なのでは。卒業みたいですが、こういう人はどんな分野でも活躍するんだと思います。笑いの間とかつっこみに関しては芸人さんみたいです。
・黄泉
大蛇さんとコンビで笑いを取りまくっていましたね。人をつかむ力がありそうな感じです。個人的には最後の方の殺陣で三すくみにするネタが最高。殺陣で笑いを取れるんだと少し感動した笑いになりました。
・玉藻
まあ、これは男ならかわいいと書くしかないです。ちょっとしたコスプレみたいでしたから。役も無邪気な悪い女の子といった感じですし。全く違和感は無かったから、普段からのキャラクターなのかな。
・加賀智
自分の楽しみだけに悪いことをするみたいな、よくありがちな役ですが、すごくうまかったです。冷徹・非情。表情・セリフに言い回しで見事に表現。ナルシスト見たいな役がぴったりはまりそう。実際にかっこいい方でしたし。役者さんはすごいなあ。
・羅刹
学生さん・・・? う~ん、すごい貫禄。また、芝居も濃いい感じだったし。ある意味、実力派俳優というところでしょうか。この作品では、この役は絶対この方だなと思います。
・鎌足
ちょっと最初はきつそうな印象。もちろん役作りで。憎しみが優しさみたいなものに変わるシーンをうまく演じられていました。歩き方と照明でそれを表していた感じだったので、出来れば表情をもっと見たかった。弟と話している時にすごく素敵な表情してたから。
細かなところで色々と気になる点はありますが、本当に素敵な公演でした。
4年間頑張ってこられた劇団員の方には、あなた方のその頑張りが少なくとも一人の人間を感動させていますよとお伝えしたいです。色々な道に進まれることと思いますが、ご活躍を祈っております。
最後に、役者さん以外のスタッフの方々に感謝の気持ちを記しておきます。
公演は舞台だけ楽しめればそれで満足というわけではないと思っています。受付や客の誘導など、楽しんで見てねという気持ちが、劇団側に無いとせっかくの舞台の魅力が半減します。そういう意味では、寒い中呼び込みをしていた方、劇場階段上で来場のあいさつをされていた方、受付扉の開閉役の方、受付スタッフ・・・、その他、素人ではあまり想像できないところでご活躍されていた方達が、非常に頑張られていたように感じています。ちなみに開演10分前ぐらいまで、受付扉の開閉役の方の働きをずっと見ていました。だって、人の動き見て的確に扉開け閉めしてて、面白かったんです。便利なドアだなあって。
気持ちよく観劇できて、しかもいい作品だったことが非常に嬉しいです。
劇団としての今後のご活躍も期待しています。
写真は劇場でもらった巻物風パンフレット。なかなかしゃれてますね。
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コメント
またまた大作に出会えてよかったですね♪
『加賀智』の役どころ。
一番難しいんじゃないかとあたしは思います(゚0゚)
投稿: mio | 2010年1月10日 (日) 22時15分
>mioさん
鬼の首領に会う直前に、その人と戦います(ラスボス前の手強い相手みたいな感じ)。結局、負けて退場するのですが、さてどうするかねみたいな感じで最後まで感情を出さずでしたね。首領との戦いで厳しい状況に追い込まれた時に、こっちの方がおもしろそうなんでねとかい言って助っ人として登場するのではと思っていましたが、その後は一切出てこなくて。
なかなかの男前でしたから、きっと私生活ももててますよ。腹立つので、もっとダメな汚い役を希望します。
投稿: SAISEI | 2010年1月11日 (月) 09時14分