じんぐる蔵!【劇団壱劇屋×劇団HALLJACK×人造演劇ユカイダー】091226
2009年12月26日 枚方公園青少年センター
ほうら、やっぱり面白い。そしてお客さんが少ない。劇団壱劇屋というのはそういうイメージで固定されてしまいました。
(以下、それほど詳しく書いていませんが、少しネタがばれ気味になる可能性があります。見ている中である程度先は読めるような作品ですが、全く知らないで見た方がきっと面白いです。明日12/27も13:00~公演がありますので、見に行こうと思われる方は、また後ほどに。ホールは大きく、まだまだ大丈夫そうですよ。しかも1000円ですし、お薦めです。是非。)
3劇団のジョイント公演。劇団HALL JACKと人造演劇ユカイダーは初めての劇団でした。役者さんも覚えている限りでは、見たことの無い方ばかりです。
でも、絶対面白いと思って行ったんです。劇団壱劇屋の前回公演が素晴らしかったので。(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/091209-9809.html)
2つの話が並行して進みながら、いつの間にか合わさっていくような作品。劇団壱劇屋の前回公演「ゴゴのコブチャ」と同じような系統ですね。よく考えるものですね。作家さんの才能に拍手です。
忠臣蔵。そのままの話です。吉良上野介の悪質な嫌がらせに浅野内匠頭は切りつける行動に出てしまいます。即日切腹。仇討のため、浅野の家老の大石内蔵助のもと武士たちが集まります。家族や恋人との別れを覚悟して、仇討にかける武士たちの姿を描きながら話は進んでいきます。
一方、サンタクロースの世界。赤鼻のトナカイの大事な角が折られる事件が起こります。犯人を捜すトナカイ達。やがて、あるトナカイが犯人であることを知ります。サンタクロースにも魔の手がおよび、助け出そうとトナカイ達は犯人に戦いを挑みます。でも、犯人と思っていたトナカイは犯人ではなく、サンタクロース(に化けている者)こそがこの事件の張本人だったのです。トナカイ達は偽サンタクロースと戦います。
2つの世界は切り替わりながら進んでいきますが、吉良上野介⇔偽サンタクロース、浅野内匠頭⇔赤鼻のトナカイ、武士たち⇔トナカイ・・・のように、うまい具合に相関しているわけです。武士たちもリーダーのトナカイは大石内蔵助のように全てのキャラが2つの世界で同じように演じられます。もちろん家族や、恋人なんかも。
最後は、2つの世界が融合するようにまとまっていき、フィナーレを迎えるという感じです。
世界の切り替えが一つの見どころになっているのは、ゴゴのコブチャと同じ。ちょっとおおげさですが、芸術的にすら見えます。
壱劇屋だけでなく、せっかく2劇団を知ったので、気になった役者さんを一人ずつ紹介。
仇討の最先鋒役、ヤマモトヒカルさん(劇団HALL JACK)。戦う姿がかっこいい。ちょっと宝塚みたいな印象。役が役なので、ずっとしかめっ面でした。別にどうでもいいんですけど、美容関連の仕事をしているので、つい眉間のしわに目がいってしまいます。あんなにずっと眉間に力入れているとしわ取れなくなっちゃいますよ。
鎌谷潤吉さん(人造演劇ユカイダー)。浅野内匠頭⇔赤鼻のトナカイ役。他はすべて同じキャラクターで両世界を演じられているんですけど、ここだけちょっと厳しい相関だと思いました。だから、この方だけ、全然違った感じで出てこられるんですが、同じ人?と思うくらい切り替えるんですごいなと感じました。
3劇団ともに枚方の劇団らしいです。関西演劇は東京に比べてマイナーとか言われることが多いみたいですけど、そんな中でも枚方とはマイナー中のマイナーですよね。でもね、絶対どこに出て行っても負けないと思いますよ。こんな面白いもの作る劇団があるんだから、枚方市とか応援すればいいのに。
ガラガラの客席でゆったりと楽しみましたが、多分、来年の今頃あたりはチケットが取れないぐらいになるんじゃないかと本当に思っています。
さらなる活躍を期待しています。
| 固定リンク
「演劇」カテゴリの記事
- 【決定】2016年 観劇作品ベスト10 その3(2016.12.31)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その2(2016.12.30)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その1(2016.12.30)
- メビウス【劇団ショウダウン】161209(2016.12.09)
- イヤホンマン【ピンク地底人】161130(2016.12.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
忠臣蔵とサンタクロースの世界を
平行して最後は、二つの世界が融合する感じにまとまる
ってすごいですね!!
めちゃめちゃファンタスティックじゃないですか!!
きっと脚本家の人はすごい想像力豊かな方なんでしょうねっ★
ドラマとかでは表現できない世界観なんでしょうね♪
投稿: mio | 2009年12月27日 (日) 00時25分
>mioさん
舞台が二つに分かれていて、それぞれで話を進めながらというのはよくあるんですけどね。それに回想シーンを所々で入れるとか。
こういうタイプは新鮮です。個人的にはすごく好きですね。
脚本・演出・役者・その他様々な舞台作品を作り上げる方々の能力には敬意を表さざるを得ません。
そこが演劇の最大の魅力だと思います。
投稿: SAISEI | 2009年12月27日 (日) 07時53分