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2009年12月20日 (日)

<闘病2年目を迎えて>ALS(筋萎縮性側索硬化症)

父の闘病生活もそろそろ2年目を迎えようとしています。スタートがいつからかは分かりにくいところですが、家族の中では2008年1月に大阪の商店街でこけた時点を発症記念日としております。

http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/als-a7a8.html

昨日、病院に行ってきました。

もうしゃべれませんので、コミュニケーションの手段はレッツチャットという装置を使うのみです。と言っても、この装置は50音の目的の文字のランプが付いたときに、指のかすかな動きを検知するボタンで押すことを繰り返して文章を作るものです。ですから、時間がかかる。

そのため、言語療法士が週1回リハビリで30分ぐらい来られますので、その時にこの装置で父の思っていることをノートに書き留めてもらうということでしか使っていません。家族は体位を変えたり、オムツを換えたり、色々することだらけで、とてもじゃないですけど普段この装置でコミュニケーションはとれません。

昨日、病院でそのノートを見ると、

「もう、たいりょく、げんかい」

「すること、たくさん」

「いまさら、むり」

「かぞくにわるい」

「げんきなとき、やっておけばよかった」

まあ、いくら不肖の息子でもへこみますわな。

体重が34kgになりましたからね。そりゃあ、限界でしょうよ。

人間は筋肉が無くなるとこうなっちゃうんだと逆に感心します。

あまりにも不謹慎でしょうから、実行はしませんが、写真を見せたいです。

痩せ方が、拒食症とかで見る写真とは違うんですよ。ものすごく病的な印象を受ける痩せ方になるんです。

ふくらはぎなんて何がふくらみなんだ、太ももって何が太なのといった感じです。

医学生とかは見ておいて欲しいですね。これぞ難病ALSの実態だと目に焼き付けておいてもらいたい。

まだ、たくさんしたいことがあったのかな。

65歳の定年を迎えた後、しばらくは週2ぐらいで働き、結局ゆっくりできたのは67歳ぐらい。その1年後にはもうおかしくなり始めてるんですからね。

70歳までに富士山制覇といって、67歳で達成。来年の5月には70歳を迎えます。下手すりゃあ、70歳までに富士山よりももっと高いところに行っちゃいますよ。

私もたくさんしたいことがあったな。父と一緒にできたこと。でも、父と同じ言葉が続きます。「今さら無理」、「父に悪い」、「元気な時にしておけば良かった」。

人間なんて、後悔ばっかりですよね。だから、その日その日を大切になんて言うけど、そりゃあ無理だ。こんな目に合うなんて誰が思いますか。

先日、母は家族葬をしてくれる葬儀屋に行ってきたみたいです。

年末を迎え、来年の覚悟を家族は決めつつあります。そして、残りをどうするのか。

このブログでのALSの記事は、初期症状を迎えている患者さんやそのご家族の参考になればとかなり現実的なことばかり書いているんですけどね。最終段階の参考になるようなことを誰かに教えてもらいたい気分です。

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コメント

ブログを読んでいるだけで、胸の奥のところが

痛いです。

SAISEIさんはいつもこのブログでは客観的ですが、

もっと、感情出していいんじゃないでしょうか?

絶対お辛いはず・・・。

人によって受け止め方は様々ですし結局あたしも何も出来ない

ですが、あたしはブログでしんどい気持ちが少し楽に

なったような気がしたんで・・・。

生意気な事言ってごめんなさい。

少しでも気持ちが伝わればと思ったんです。

投稿: mio | 2009年12月21日 (月) 17時37分

>mioさん
優しいコメントありがとうございます。
無理しているわけではなく、本当に客観的に今はとらえています。そうじゃないと、他の記事で書いているように演劇見て、ケラケラ笑えませんよ。
理由は分かりませんが、父だからだと思います。父と息子はそんな感じのような気がしますね。

投稿: SAISEI | 2009年12月22日 (火) 09時13分

少し愚痴っても、いいですか?
私の母は球マヒから始まった話は前に言いましたが、本当に呂律が回らなくなったのは4月頃、8月に刺身を喉につまらせて、おかしいと本人も意識して、8月末に検査入院、9月はじめに確定診断、父と私に告知され、9月中旬に本人に運動ニューロン病と告げられ、退院して本人もネットでALSと知った状態ですが、告知を受けて3ヶ月、ほとんど寝たきりになりました。
本人が病気の詳細を知っているか、定かではありませんが、人工呼吸器はつけないと言っています。
うちの母も痩せ細り、37キロです…。見ているのもつらい病気です。心の中にいつか自分も発病するのでは?という恐怖心が芽生え始めています。
私の母も夏の花火大会までは生きられない気がします。悔しいです!

投稿: ウラン | 2009年12月30日 (水) 13時17分

>ウランさん
コメントありがとうございます。
お言葉を届けていただいて嬉しいですが、やはり内容はこうなりますよね。
私が想像していた以上の状態ですね。
球麻痺からの進行は早いから、まだ良かったですと初期に先生に言われましたが、本当にすごく早いんですね。
まあ、今となっては球麻痺も四肢麻痺も関係ないような状態になっていますが。
うちも人工呼吸器はつけないことにしています。それにこんな姿は誰にも見せたくないから病院から直行して火葬場へと言っています(いました)。一応、懐かしき自宅で一晩だけ過ごさせて、火葬しようと思っています。
37kg。どういうことやねんとしか言えないでしょ。私も父を見るたびに思います。何なんでしょう、この病気は。
私も自分の発病を危惧しています。10%ぐらいは家族性だと言われているみたいですから。どうもSODとかいう酵素の変異ははっきりしているみたいですね。父の死後、遺伝子診断は検討しようかと思っていますがね。
正直、夏ぐらいですよね。うちも、失礼ですがウランさんも。
来年忙しい時だと大変だから、年末年始の時間の空いてる時に、亡くなりましたというハガキ作っといていいかと半分本気で聞いたりしています。本人笑っていますが、まあ覚悟はしてるでしょう。
私の方が愚痴になってきました。こんな生き地獄ネタなんていくらでも出てきますからね・・・。
まあ、思い出を作っておきましょう。ある意味、急に死んでショックを受けるようなことは無いわけですから。
よいお年を。
来年は別のことに関しては素晴らしい運勢なはずです。そうじゃないと帳尻あいませんから。

投稿: SAISEI | 2009年12月30日 (水) 14時42分

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