雨はれて、月おぼろ【劇団天悟】091213
2009年12月13日 ABCホール
この劇団は、特攻舞台Baku-団(現、ステージタイガー)との合同公演、「愛ノチ空」を劇場で拝見して知りました。今回は、お気に入り劇団の役者さんがたくさん客演されていたので見に行きました。
2日前に予約しておいたので、受付で名前を言います。指定席ですが、前列の真ん中あたりでいい席です。ラッキーと思って席に行くと、既に先客が。ダブルブッキングですね。観劇数100回超えましたが、初めての経験です。聞けば元々キャンセルになった席で、キャストから購入したチケット分の把握が出来ていなかったとのこと。向こうは二人連れですし、私がここは引くべきでしょう。代わりの席は前ですが、端の方。小さな劇場ならいいんですが、ABCホールともなると、明らかに見にくいです。まあ元々直前の予約だし、仕方がないですが、ちょっとダメですね。私はこういうことにうるさいです。観劇は劇団の芝居が面白ければそれで満足して帰るというわけではありません。受付・会場スタッフの方々の対応なども含めて、楽しむんです。今回、ご丁寧な対応でしたので、特に大きく文句を言うつもりは無いですが、芝居が始まる前に確実にマイナス評価から見始めることになったのは事実です。
さて、そんなことはいいとして、劇が始まります。役者さんが舞台に登場。ワクワクする瞬間です。・・・、ところが、後ろの方で、おばちゃん二人が「あ~出てるわ」、「うまくなったな」、・・・などなど、しゃべり始めます。恐らく知り合いなのでしょう。集中出来ませんよね。以後も、本来笑うべきでないようなポイントで楽しそうに笑いながら話したりしています。恐らくは私生活との違いから笑っているだけで、作品の流れとは何も関係がありません。静かになったなと思ったら寝てる・・・。はっきり言って、台無しでした。
結構あるんですよ。これと同じ状況。知り合いが出てるとおもしろいんでしょうね。普段あんないい加減なお調子者が真面目に熱くセリフをしゃべっている。笑える。といった感じでしょう。でも、ただの客のことを考えてください。その人の私生活など何も知りません。だから、演じている今の役の姿が全てです。熱く語っていれば、それを真剣に聞きたいのが当たり前ですよね。本当に迷惑ですよ。本当にその役者さんの知り合いで応援しているなら、その人の舞台での真剣な姿をきちんと見てあげてください。
喜怒哀楽の感情を開けっぴろげにして生きると幸せが訪れるらしいです。誰か忘れましたが、偉人の言葉だったように思います。これ、正確に言うと違いますね。幸せになるのは自分だけでしょう。他人は不幸になっています。正確には、喜怒哀楽の感情を、周囲の環境を十分配慮したうえで、あけっぴろげにして生きると、自分も周りにも幸せが訪れるぐらいにしておかないといけないのではないでしょうか。
さてさて、本当に観劇の感想に戻りましょう。上記のように、楽しく見れなかったので普通の作品だったなというような感じになってしまいました。
基本的には忠臣蔵のお話です。ただ、視点が浅野家ゆかりの僧やその訳ありの家臣などの視点から描かれています。単なる忠臣蔵の話になっていないので、飽きがこなかったです。
今回は他の作品で拝見したことのある役者さんが、いつもとかなり違った役どころをされていたように思います。
本来、吉良側寄りの武士であるはずだが、母との確執により浅野側についている武士にShibaiya遊歩堂の大澤真也さん。いつもは、少しおちゃらけたりする役で拝見しているのですが、今回は終始真剣。でも、この人から漂う優しさみたいなものは役にあふれ出ていたように思います。
浅野家ゆかりの僧にコメディーユニット磯川家の島岡亮丞さん。この劇団大好きなんですよね。演劇を見たことないという人にはまず最初に見せれば、きっと興味を持つだろうと思います。いつもは、作品の中では少し異色のキャラクターで出られます。今回は、これまた普通で真面目さが伝わるような僧でした。ただ、さすがですね。ところどころ、お得意の笑いを交えてきたり、終盤のとみずみほさん演じる不幸な女性との動き・セリフのやりとりは完全にお客を笑いの渦に引き込んでいました。しっかりつかんでおいて、ラストに向かうんです。演出の計算ですかね。
同じ劇団所属で遊女の物延結さん。ちょっとヒステリックな感じの役どころをされていることが多いような。キーキーしているところがすごくかわいらしいです。近くにいたお客さんも言っていました。あの青い服きた女の子かわいいって。
同じく大工の娘役、信原久美子さん。しっかりしてそうで、どこかとぼけた感じの役の印象があります。今回は討ち入り前の武士に恋する女性をかわいらしく演じています。武士に思いを寄せながらたたずむシーン。前の方だったので、表情がはっきり見えましたが。すごく魅力的でした。さすが女優さん。
大石内蔵助の家臣に大阪バンガー帝国の大塚宣幸さん。あいかわらず、抜群の存在感だと思います。いつも、もっとご自分の世界に客を引き込んで笑わせてくれるのに・・・。今回は、ちょっとかっこよかったです。たしかに良く見ると凛々しい。殺陣とかもうまいんですね。
同じく家臣のステージタイガーの秋葉勇人さん。先日、ステージタイガーの公演に出演されてなかったのでどうしたのかなと思っていましたが、こちらに出ていました。ちょっとマニアックな演技される方です。印象に残ってしまうんです。この方は今回もイメージどおりの役でした。舞台に出てこられた時に、何らしか隅の方で面白いことをやっていくので、ついつい目を奪われてしまいました。
DVDが販売されるみたいです。予約はしていませんが、もう1回しっかり見ようかな・・・。
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コメント
わかるっ!!!
その怒りわかる!!
映画館なんかで先におちを言っちゃう奴とか、異常に食べ物を食べ続ける奴( ゚皿゚)キーッ!!
イライラしちゃうっ!!
おんなじことされたら嫌なはずなのにね・・・。
投稿: mio | 2009年12月14日 (月) 15時05分
>mioさん
絶対同調すると思ったよ。
プチクレーマーだもんね。
投稿: SAISEI | 2009年12月14日 (月) 22時59分